本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。
第2026-10-16号|2026年10月16日

ウェブ版

灯油は十分と政府 ただし注文は前年並みに

政府は灯油不足はないとしながら、販売事業者に前年並みの注文を求め、輸入価格の補助も打ち出した。在留外国人数の過去最多、楽天グループのドル建て債返済計画、島根銀行の有価証券売却と優先株発行も取り上げる。

マーケット

市場概況

10月16日付ブリーフより2026年10月16日(JST)時点
日経平均株価65,324.29+1.39%
TOPIX4,066+1.67%
JPXプライム150指数1,710.08+1.76%
ドル/円158.01+0.09%
10年物国債利回り2.948%-6.7 bps

東京株式は上昇し、10年物国債利回りは小幅に低下した。

出所:日経、JPX、日銀、財務省(数値のみ、解説なし)

2026年10月9日終了週 東証プライム投資部門別売買動向

買い越し(+)/売り越し(−)

投資部門週末日
海外投資家のネット売買+¥1447.5bn
個人のネット売買+¥47.5bn
信託銀行のネット売買−¥32.7bn

日本取引所グループ、投資部門別週間売買代金(東証プライム)

主要記事

政府、冬の灯油で買い手に注文の抑制を要請

冬の燃料集積所にある灯油のタンクローリーとドラム缶と、元売りから卸売事業者への直接供給を示す図

政府、燃料販売事業者に灯油注文の前年並み維持を要請 輸入価格の補助も追加

赤澤経済産業相は国内に灯油不足はないとしながらも、経産省は販売事業者に前年と同量の販売・注文を求め、石油元売りによる直接販売を可能にし、輸入価格との差額を補助する方針を示した。10月16日の閣議後記者会見で、赤澤氏は灯油価格の高騰への対策を強化することを決めたと述べた。灯油を含む石油製品は日本全体として必要な量を確保できており、供給不足に陥る状況にはないと説明した。これは閣僚の主張で、会見録に数量は示されていない。

変更点: 経産省が挙げた対策は3点。石油元売り、輸入商社、卸売事業者に対し、前年同月と同量の販売・注文を要請する。新設する灯油直販スキームでは、供給に偏りがある場合や流通が目詰まりしている場合に、元売りが直接販売できるようにする。輸入価格と国内卸価格の差額を、輸入灯油調整単価の名称で補助する制度も新設する。

なぜ重要か: 赤澤氏は、一部の卸売事業者が例年の需要を大幅に上回る注文を出しており、一部の元売りが安定供給を続けるため取引先に想定需要に沿った注文を求めていると述べた。冬の灯油供給への不安が一部の国民の間に広がっているとの認識も示した。国際的な精製能力の低下で輸入灯油の価格は原油に比べ高止まりしており、国内価格も輸入価格の影響を大きく受ける可能性があるという。

注目点: 記者が全国平均を10円超上回るまで上昇したと指摘した北海道について問われた赤澤氏は、その水準への評価は示さなかった。直接販売で商品が市場に出回ると国民が理解すれば、価格は徐々に落ち着くと期待するが、北海道は割高な状態が続き得ると述べた。会見録には補助の規模、1リットル当たりの単価、開始時期、財源は示されていない。

続きを読む

注目記事

人と国境、監査ルール

空港の入国審査レーンと停泊中のクルーズ船を幅の異なる流線で結び、訪日客の流れの変化を示唆する編集用イラスト

外国人入国者数は上半期ほぼ横ばい 中国からの新規入国者は57%減

2026年上半期の外国人新規入国者は0.1%減にとどまったが、内訳は大きく動いた。中国は減少し、韓国と台湾はそれぞれ約2割増えた。出入国在留管理庁によると、1〜6月の外国人新規入国者は1970万6953人で、前年同期より2万1452人減った。再入国者を含む外国人入国者は0.3%増の2144万7220人。

注目の数字: 中国からの新規入国者は57.3%減の159万8470人で、全体の8.1%を占めた。最大の送り出し国の韓国は19.0%増の555万3483人、台湾は21.2%増の376万9254人だった。発表資料は国籍別の変動の理由を示していない。

注意点: 在留資格に基づく入国ではない特例上陸許可を受けた外国人は32.2%減の137万546人。クルーズ船観光上陸許可は64.1%減の28万1792人だった。数字は2026年6月までで、その後の状況は反映していない。

続きを読む
人型の小さな駒を積み上げた棒グラフが在留者数の増加を示し、ヘルメット姿の人型の棒が最も高い。

在留外国人が過去最多の428万人 半年の増加は特定技能が最大

特定技能の在留者数は6月末までの半年で5万3960人増え、在留者数の多い上位5資格の中で最大の増加となった。出入国在留管理庁によると、2026年6月末の在留外国人数は428万1026人で過去最多。2025年末の412万5395人から15万5631人、3.8%増えた。3.8%は半年間の変化で、年間の変化ではない。

数字で見る: 特定技能は44万4256人に増えた。技術・人文知識・国際業務は4万394人増の51万6184人。技能実習はほぼ横ばいで、891人増の45万7509人だった。経営・管理は4万6781人から4万2747人に減り、発表資料は理由を示していない。

押さえておきたい点: 数字は一時点の在留資格別の人数で、総数に含まれる永住者、留学生、家族を就労者数として読むべきではない。雇用する企業にとって手がかりになるのは構成の変化で、伸びの大きい在留資格は技能や専門職の仕事と結び付いている。

続きを読む

金融庁部会、継続企業の前提の評価期間延長を監査人に求める案

草案は、監査人に財務諸表の承認後少なくとも1年間について継続企業の前提を評価させ、重要な不確実性がない場合も報告を求める内容だ。企業会計審議会の監査部会は10月16日、監査基準の改訂公開草案を公表し、意見募集を始めた。現行の実務では、監査人は決算日から少なくとも1年間の合理的な期間について、経営者による継続企業の前提の評価を検討する。草案は代わりに、財務諸表の公表承認日から少なくとも1年間の検討を求める。

変更点: 現在、監査報告書に継続企業の前提に関する独立の区分を設けるのは、重要な不確実性がある場合に限られる。草案は、不確実性がないと判断した場合にも独立の区分を設ける。上場企業の監査では、不確実性を報告書に記載する場合や、不確実性はないとしつつ経営者が重要な判断を行った場合に、監査人が経営者の評価をどう検討したかの説明も必要になる。不正については、監査部会は基準の改訂は不要と結論づけた。

注目点: 意見の提出期限は2026年11月16日17時。採用されれば、改訂後の基準は2028年3月期決算の財務諸表の監査に適用される。これは意見募集の案で、審議会が改訂版を採択するまで確定するものではない。

続きを読む

注目記事

押さえておきたい企業開示

大小2つの社債が返済カレンダーと資金の貯蔵容器に流れ込む様子を示した抽象図

楽天グループ、社債3600億円のうち2656億円を2月償還のドル建て債返済に充当

楽天グループは第26回社債の手取金のうち2656億円を2027年2月償還のドル建て債の返済に充てる計画で、400億円の第27回社債は全額をフィンテック事業再編のためにすでに支出した資金の補充に充てる。楽天グループは10月16日、同じ年4.370%の利率の無担保円建て社債について、発行登録追補書類を2本提出した。第26回は3600億円で2032年4月28日償還、第27回は400億円で2032年4月22日償還。いずれも払込前で、払込期日は第26回が10月29日、第27回が10月22日。

注目の動き: 第26回の手取金は、発行諸費用の見積額54億円を差し引き約3546億円。このうち2656億円を2027年2月15日償還のドル建て無担保社債の償還に、100億円を2027年6月25日償還の第9回社債に充てる計画。残りは、9月30日のフィンテック事業再編に向けた準備措置にすでに使った資金の補充に充てる意向で、追補書類は内訳を示していない。

詳細: 第27回の手取金は約398億円で、全額を同じ再編関連の資金に充てる。2本の追補書類はいずれも、有効期限2028年9月29日、上限6000億円の発行登録の下にあり、Japan Credit Rating Agencyは10月16日にシングルAマイナスの格付けを付与した。4.370%は額面発行の社債の利率で、利回りではない。資金使途は計画であり、償還が完了したわけではない。

続きを読む
普通株のブロックの短い棒と、より高い優先株のブロックの積み上げを並べ、下限線と取り除かれる数枚の債券証書を描いたイラスト

島根銀行、600億円の有価証券売却と、SBI Shinsei Bank向け100億円の優先株発行

島根銀行は有価証券の売却計画に伴い、2027年3月期の純損失を59億8000万円と予想し、SBI Shinsei Bank向けに議決権のない優先株100億円分の発行を提案した。12月24日に株主の承認を得る必要がある。島根銀行は10月16日、2027年1〜3月に約600億円の有価証券を売却して約65億円の損失を計上する計画を明らかにし、C種優先株の発行を提案した。

変更点: 連結業績予想は、経常利益3億3000万円、純利益2億7000万円の黒字から、経常損失59億6000万円、純損失59億8000万円の赤字に転じる。同行は損失を一時的なものとし、2027年3月末までに自己資本比率が約8.5%に上昇すると見込む。普通株1株当たりの配当予想は10円に据え置く。会長と頭取は2027年1〜3月の報酬をそれぞれ30%減額する。

注意点: C種優先株がすべて下限の407円で転換された場合、同行は議決権24万5700個分の普通株を発行することになり、既存の8万3559個に対し約294%に当たる。これは現在の議決権総数に対する比率で、持ち株比率ではない。開示文書は、転換により支配株主が異動する見込みとしており、SBI Shinsei Bankはすでに議決権の20.90%を保有している。

注目点: 払込期日は2026年12月25日で、手取金約99億1000万円は地域企業向け融資に充てる。同行は12月24日の臨時株主総会で特別決議を求めるほか、他の株主による種類株主総会の承認も必要となる。発行はこれらの承認がすべて得られることが前提となる。

続きを読む

東京製鐵、営業損益を10億円の黒字に修正 従来は40億円の赤字予想

東京製鐵は2027年3月期の営業損益予想を、40億円の赤字から10億円の黒字に修正した。出荷価格の上昇と鉄スクラップ価格の下落が背景で、資産売却が中間期の純利益予想の引き上げにも寄与した。10月16日付の修正で、同社は純利益予想も10億円から70億円に引き上げた。数字はいずれも2027年3月期の個別業績予想で、実績ではない。

変更点: 同社によると、製品の出荷単価は想定どおり上昇し、鉄スクラップの購入価格は想定を下回った。通知は、いずれの影響額も示していない。中間期の営業赤字予想は40億円から35億円に縮小するため、通期の黒字は下期で稼ぐ必要がある。通期の売上高予想は3150億円から3260億円に引き上げた。

注意点: 純利益の上積みは別の要因による。同社は資産売却が進んだことで、中間期の純利益予想を10億円から22億5000万円に引き上げたとしている。通知は売却資産も売却額も示していない。通期70億円は前期の115億5700万円を下回り、同社は実際の業績が鉄スクラップ価格や鋼材市況によって大きく変動する可能性があると注意を促している。

続きを読む

東京センチュリー傘下の航空機リース会社、エアバス機75機を発注 引き渡しは2032〜2035年

東京センチュリーが半分をItochuに売却する米航空機リース会社Aviation Capital Groupは、カタログ価格約1兆8560億円のA320neoシリーズ75機を発注する契約を結んだ。実際の取得価額は非公表。東京センチュリーが連結しているAviation Capital Group(ACG)は、米国時間10月15日、日本時間10月16日に契約を結んだ。東京センチュリーはカタログ価格を9月30日時点の1ドル=157.33円で換算しており、守秘義務契約によりACGが実際に支払う額は開示できないとしている。

詳細: 引き渡しは2032年から始まり、最後の機体は2035年の予定のため、東京センチュリーは2027年3月期の連結業績への影響は軽微とみている。2026年6月末時点でACGは286機を保有し、25機を管理していた。発注済みの機体を含めると504機になる。ナローボディ機は機体数ベースで全体の94%を占める。

注意点: 東京センチュリーは、ACGの親会社TC Skyward Aviation U.S.の株式50.0%をItochuに売却することで合意している。売却完了後、ACGは東京センチュリーの連結対象から外れ、持分法適用会社になる。発注の通知は、その変更後に発注に伴う負担をどう分担し、資金をどう調達するかを示していない。

続きを読む

ファンケル・アテニア会員78万5000人分の情報が不正アクセスで流出 キリンホールディングスが発表

キリンホールディングスによると、10月3〜10日のファンケルとアテニアのオンラインショップへの不正アクセスで会員情報が漏えいした。カード情報は対象外で、業績への影響は精査している。キリンホールディングスは10月16日、子会社ファンケルとその連結子会社アテニアのオンラインショップに第三者が不正アクセスしたと発表した。同日時点で、本件に起因する不正利用や二次被害は確認していないという。

変更点: 漏えいしたのはファンケル会員36万8184人分の39万3785件と、アテニア会員41万7312人分の44万1162件。情報にはメールアドレス、氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、お客様番号が含まれる。クレジットカードなどの決済情報は対象に含まれていない。両サイトの会員を兼ねる人がいるかどうかは、通知からは分からない。

詳細: 10月15日の社内調査で、両ショップが10月3〜10日に不正アクセスを受けていたことが判明した。両社は攻撃を受けた機能を停止し、個人情報保護委員会に報告するとともに警察に相談した。

注目点: キリンホールディングスは連結業績への影響を精査中で、今後の業績に重大な影響が生じる場合は速やかに開示するとしている。通知は費用の見積もりを示していない。

続きを読む

ニュース短信

ニュース短信

  • 日本政府、子どもの健康基金に4000万ドル拠出表明 G20に債務データ参加促す

    日本政府は開発委員会の議長に就任するにあたっての声明で、グローバル・ファイナンシング・ファシリティに4000万ドルを拠出すると表明し、G20の全加盟国に世界銀行の債務データの取り組みへの参加を呼びかけた。

    続きを読む
  • ニデック、役員責任の調査報告書を受領 次は損害賠償請求を審議

    ニデックは、会計不正をめぐる現旧役員の法的責任の有無を調べた委員会から報告書を受領した。通知は調査結果を示しておらず、一部を非開示とした版を後日開示するとし、次に損害賠償請求を審議するとしている。

    続きを読む
  • 政府、航空会社の固定的な監査周期の廃止とリスクベースの計画への移行を提案

    国土交通省航空局は、大手航空会社の標準的な監査頻度をやめ、11項目のリスクプロファイルに基づく計画と、是正措置計画の義務付けに切り替える案を示した。意見募集は11月13日まで。

    続きを読む
  • 経産省、サッシの性能基準を非木造共同住宅に拡大提案 目標値2.97

    経産省の告示案は、非木造の共同住宅向けサッシに熱損失防止性能の目標値2.97W/m²Kを設定するもので、生産量の約1%を占める製造・輸入事業者が対象。意見募集は2026年11月16日まで。

    続きを読む
  • トレードワークス、設定不備で岩井コスモ証券の顧客最大4611人分の情報漏えいと説明

    トレードワークスは、岩井コスモ証券に提供する取引システムの管理機能の設定不備により、顧客4611人の氏名とメールアドレスが漏えいした可能性があるとして、費用は全額を負担する方針を示した。システムを利用する他の金融機関についても点検している。

    続きを読む
  • 東京海上日動火災保険、社債2000億円の条件決定 利率2.221〜3.468%

    東京海上日動火災保険は、総額2000億円の社債4本の利率を年2.221%〜3.468%に決めた。従来見込んでいた1500億円から増額した。手取金は全額、2029年9月までにグリーン・ネイチャーファイナンス関連の事業に充てる計画。

    続きを読む
  • 日本プライムリアルティ投資法人、大手町のビル持分をスポンサーから328億円で取得契約

    日本プライムリアルティ投資法人は、スポンサーから大手町の2棟の高層ビルの建物部分の22.5%を328億円で取得する契約を結んだ。NOI利回りは3.3%で、定期借家契約の再契約に伴う賃料の見直しを見込む。

    続きを読む
  • 参天製薬の中国合弁会社が破産申し立てへ 参天製薬の20億円貸付金は全額引当済み

    参天製薬の重慶の合弁会社は2024年から清算手続中で、負債総額約33億円で破産手続開始を申し立てる。参天製薬は、20億円の貸付金は全額引当済みのため新たな損失は生じないとしている。

    続きを読む