参天製薬(4536)は、清算手続中の重慶の眼科薬合弁会社が、現地時間10月16日の株主会で、中国会社法および企業破産法に基づき破産手続開始を申し立てることを決議したと発表した。同社はこれによる新たな損失は生じないとみている。
申立てに至った経緯
参天製薬は2016年8月、より多くの中国の患者に医療用眼科薬を適切な価格で提供することを目的に、現地パートナーと組んで重慶に合弁会社を設立した。中国の医療制度改革など事業環境の変化により戦略の継続が困難になったとしている。同社の取締役会は2024年10月、この合弁会社の清算を決議した。
清算は資産売却によって債務を全額弁済することを目指していた。参天製薬は、その見通しが立たなくなったため、合弁会社が現地の裁判所に破産手続開始を申し立てることになったと説明している。
負債の状況
負債総額は1億4300万元(約33億円、9月末のレート1元=23.40円で換算)。このうち1億元(約23億円)は参天製薬と中国子会社に対する負債。合弁会社の2026年3月期は、純資産がマイナス1億2600万元、総資産が2600万元で、売上高はなかった。
合弁会社は連結子会社。中国子会社が49%、現地パートナーが51%を出資し、取締役7人のうち4人は参天製薬または同中国子会社の社員。
新たな損失が生じない理由
参天製薬は合弁会社に対する貸付金20億円の債権を持つが、全額に貸倒引当金を計上済み。中国子会社は保有株式について全額の評価損を計上済みで、株式の評価額はゼロとなる。今期の連結業績への影響は軽微とみている。
今後の見通し
申立てが裁判所に受理された場合は、破産手続が進められる。参天製薬は、裁判所による破産宣告を経て、合弁会社の資産が処分され、債権者に分配される見通しとしている。発表に日程は示されていない。また、株主会で申立てを決議したことは、裁判所が手続を開始したことを意味しない。
