日本は2026年10月15日にバンコクで開かれた第114回開発委員会で行った声明で、新たな拠出表明を1件行い、最近設けた資金枠組みを1件取り上げたうえで、債務の透明性について各国政府に働きかけた。声明は冒頭で、開発委員会議長に選出されたことへの発言者の謝意を述べており、財務省が英語で公表した。(Tokyo Briefのこれまでの関連記事)
拠出の中身
日本は、新たな5カ年戦略の初年度にあたるグローバル・ファイナンシング・ファシリティー(GFF)に4000万ドルを拠出すると表明した。GFFは母子保健と栄養を対象としており、声明はこれをユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に不可欠と位置づけている。日本は、昨年世界銀行と世界保健機関(WHO)とともに立ち上げたUHCナレッジハブとGFFを連携させる考えを示した。
重要鉱物については、今年6月に世界銀行グループの日本信託基金内に新たな枠組み「RISE+」を創設し、初期拠出額は2000万ドルだったと説明した。多数国間投資保証機関(MIGA)が重要鉱物プロジェクト向けの保証機能を強化する取り組みも支持し、他国にも参加を呼びかけた。声明は、MIGAの取り組みに対する日本自身の支援額を示していない。
他国への要請
最も強い表現が使われたのは債務の分野だ。日本は、世界銀行のデータ共有の取り組みへの参加拡大に向けたG20での進展と、同行の内部機密保持プロトコルを歓迎したうえで、G20の全メンバーに参加を求めた。さらに、公的二国間債権者は、適時性と比較可能性を高めるため、個別の債務措置案件で合意した了解覚書(MoU)を公表すべきだと述べた。中所得国の債務再編は「共通枠組み」に沿って進めるべきだとも主張し、この議論を世界銀行とIMFが主導するよう求めた。
調達については、採点方式の評価基準の導入と調達先多様化の取り組みを歓迎し、世界銀行グループに対し、多国間開発銀行全体で調達改革を主導するよう求めた。
エネルギー、太平洋、ウクライナ
日本は、4月以降、国際協力機構(JICA)と国際協力銀行(JBIC)を通じ、「POWERRアジア」パートナーシップの下で、主にアジア・太平洋地域の燃料不足に直面する国々への緊急対応に取り組んできたと説明した。世界銀行グループとの連携枠組みであるDRIVEの第1号案件では、国際金融公社(IFC)とJICAが共同で南アジア・東南アジア全域のエネルギー転換を支援する。アジア開発銀行(ADB)とのプログラムであるACCELの第1号案件は、インドのグリーンアンモニア事業を支援する。
太平洋島嶼国については、中長期的な解決策として、米国、オーストラリア、ニュージーランドと太平洋決済メカニズムを協議していると説明し、同地域でのコルレス銀行関係の維持は金融包摂と経済活動にとって極めて重要だと位置づけた。7月にはソロモン諸島に、気候変動に強い債務条項を付けた円借款を供与しており、日本はこれを自国の貸し付けで初の同種条項だと説明した。
ウクライナについては、次回審査に向け、付加価値税(VAT)改革や汚職対策を含む改革が国際通貨基金(IMF)のプログラムの下で着実に進むことを期待すると表明した。世界銀行グループには、保証やプロジェクト開発を通じて復興の準備を進めるよう促した。
声明はまた、日本が12月12日に東京でUHCハイレベルフォーラム2026を開催するとしている。
