島根銀行(7150)は10月16日、2027年1~3月に有価証券を約600億円売却し、約65億円の売却損を計上する方針を明らかにした。あわせて、SBI新生銀行へのC種優先株式100億円の発行を提案した。
黒字から一過性の赤字へ
今回の売却により、2027年3月期の連結業績予想は黒字から赤字に転じる。従来予想は経常利益3億3000万円、純利益2億7000万円だったが、今回は経常損失59億6000万円、純損失59億8000万円(1株当たり750円45銭の損失)とした。同行はこの損失を一過性と位置づけ、2027年3月末の自己資本比率は約8.5%に上昇する見通しとしている。通期の配当予想は普通株式1株当たり10円で変更していない。
同行は2028年3月期の中期経営計画の目標も見直した。純利益の目標は6億円から12億円に、自己資本比率は約7.5%から約9%に引き上げた。コア業務純益は22億円から17億円に引き下げた。会長と頭取は、2027年1~3月の報酬をそれぞれ30%減額する。
このほか、2026年9月中間期の業績予想を修正した。連結経常利益は従来の1億5000万円から2億6000万円に上方修正した一方、純利益は1億2000万円から1億円に下方修正した。同行は、貸出債権譲渡益の計上、有価証券利息配当金と役務取引等収益の増加、経費の減少が、計画を上回る与信関連費用を補って余りあるとしている。
優先株式の内容
SBI新生銀行は、C種優先株式1000万株のすべてを1株1000円で引き受ける予定。議決権はない。配当率は日本円TIBOR(12カ月物)に1.00%を上乗せした水準で、上限は8%、下限は1.00%。普通株式の配当の合計がゼロとなる事業年度は上乗せのないTIBORとし、下限は0%とする。払込期日は2026年12月25日で、手取り額は約99億1000万円を見込み、地元事業先向けの事業性貸出に充てる。
株主は2031年12月25日から2041年12月24日まで普通株式の交付を請求でき、取得価額は毎年4月と10月に見直され、407円から610円の範囲内で決まる。取得されていない株式は2041年12月25日に普通株式に転換される。同行は2036年12月25日以降、金融庁長官の確認を受けた上で金銭を対価に取得でき、転換を避けるために取得する意向を示している。
希薄化と支配権
仮にC種優先株式のすべてが下限の407円で転換された場合、同行が交付する普通株式に係る議決権数は24万5700個となり、既存の8万3559個に対して約294%に相当する。これは現在の議決権数に対する比率であり、転換後の持ち株比率ではない。臨時報告書は、転換により支配株主が異動することが見込まれるとしている。これと25%を超える希薄化率により、東京証券取引所の規則に基づく独立した第三者の意見入手または株主の意思確認が必要となるが、同行は後述の特別決議でこれを満たす。
SBI新生銀行は既に普通株式174万7200株(議決権比率20.90%)を保有し、2026年6月30日から筆頭株主となっている。臨時報告書によると、島根銀行の専務取締役は6月23日までSBI新生銀行の業務執行取締役だった。特別の利害関係を有する取締役2人は、取締役会の決議に加わらなかった。
同行は、1株1000円の払込金額について、独立した算定機関による理論価値のレンジ(1株当たり957.1円~1023.1円)に照らして公正と判断している。非上場株式には市場価格がなく、特に有利な金額とされる可能性も完全には否定できないため、念のため、有利発行の手続きに基づき、12月24日の臨時株主総会で特別決議による承認を求める。定款変更については、普通株主、A種優先株主、B種優先株主による種類株主総会の承認も必要となる。基準日は10月31日で、総会の議案は11月の取締役会で決定する予定。発行はこれらの承認がすべて得られることが条件となる。
