関西電力(9503)は、託送料金の見直しが顧客に何をもたらすかを数値で示した。2026年9月29日付の開示で同社は、同日、11月1日から電気料金を見直すことを決定したと明らかにし、電気事業法に基づく電気特定小売供給約款の変更届出を経済産業大臣に提出した。
関西電力は、託送供給等約款の変更について9月11日付の経済産業省のニュースリリースを挙げている。Tokyo Briefの過去の記事は託送料金の上昇を取り上げた。今回新たに示されたのは、同社自身による請求額の試算と料金単価だ。関西電力は、今回の見直しは託送料金の変動を反映したものだと説明している。託送料金は一般送配電事業者の送配電設備の利用料で、需要側と発電側の2種類がある。基本料金、最低料金、電力量料金をそれぞれ見直し、内容は契約メニューによって異なる。
低圧の家庭・小口需要家
関西電力が示した1カ月の請求額の試算は、4.3%から6.9%上昇する。試算は消費税を含み、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まないため、実際の請求額はこれらの項目に応じて変動する。規制分野の従量電灯Aは月260kWhの試算で、6175円から6582円へ6.6%上がる。
| プラン | 月間使用量 | 現行の請求額 | 見直し後の請求額 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 規制分野・従量電灯A | 260kWh | ¥6,175 | ¥6,582 | +¥407 (+6.6%) |
| 規制分野・従量電灯B(11kVA) | 1,180kWh | ¥31,482 | ¥32,841 | +¥1,359 (+4.3%) |
| 規制分野・低圧電力(8kW) | 490kWh | ¥14,909 | ¥15,743 | +¥834 (+5.6%) |
| 自由化分野プラン(10kW) | 610kWh | ¥14,067 | ¥14,876 | +¥809 (+5.8%) |
| 自由化分野プラン(6kW) | 350kWh | ¥8,416 | ¥8,885 | +¥469 (+5.6%) |
| 自由化分野プラン | 260kWh | ¥5,883 | ¥6,291 | +¥408 (+6.9%) |
従量電灯Aの単価の上がり方は一様ではない。最初の15kWhまでの最低料金は522円58銭から763円81銭に上がり、電力量料金は3段階いずれも1kWhあたり68銭上がる。従量電灯Bの基本料金は1kVAあたり50円61銭上がって497円82銭に、低圧電力の基本料金は1kWあたり78円75銭上がって1211円46銭になる。
首都圏エリアの低圧分野の料金は今回の発表に含まれていない。関西電力は、準備が整い次第、別途発表するとしている。
高圧・特別高圧の需要家
上昇率はここでは小さい。11月1日までに開始する契約に適用され、8月19日の見直し前にあたる現行の標準メニューでは、契約電力820kW、月23万kWh使用の高圧需要家の試算で、請求額は約549万円から約561万円へ2.3%上がる。100kW、1万6500kWhの需要家は2.9%上がる。特別高圧の例は、契約電力3000kWと2万kWのいずれも0.5%上がる。
関西電力が8月19日に開示したメニューによる11月1日以降の新規契約では、同じ820kWの例が約583万円から約595万円へ2.1%上がる。特別高圧の例は今回も0.5%上がる。家庭向けプランと同様に、これらは所定の契約容量と使用量による試算で、燃料、市場価格、再生可能エネルギーの各調整分は含まず、万円単位に四捨五入している。四捨五入のため、記載した上昇額は、併記する2つの請求額の差と一致しないことがある。
そのほか変わる条件
料金以外の3項目も併せて変わる。2026年11月1日から、規制分野の約款では、計量器の故障時の使用電力量を、顧客との協議ではなく関西電力と一般送配電事業者などとの協議で定める。関西電力は、依拠する基準は従来と変わらず、協議結果に実質的な違いはないとしている。同日から、支払期日の延伸などの災害時の特別措置では、り災証明書の提出を原則とせず、必要に応じて求める。2027年4月1日からは、自由化分野で、帳票発行手数料を翌月の料金とあわせて請求することも可能になる。ただし、口座振替やクレジットカードでの支払いができず、関西電力が振込用紙を発行する場合に限り、一部のメニューは対象外となる。
