Kamgras1株式会社は、カカクコム(2371)株のTOB(株式公開買い付け)価格を3680円から3681円へ1円引き上げ、買い付け期間を10営業日延長して10月14日までとした。同社は9月10日にも価格を3680円に引き上げていた(詳細は先の記事を参照)。引き上げ幅はわずかだ。焦点は買い付け期間と、対抗する買い付け側との争いにある。
株主が対応できる点
買い付け期間は5月13日から10月14日までとなり、従来の95営業日から計105営業日になった。決済開始日は10月6日から10月21日に変わる。カカクコムの新株予約権は各回とも買い付け価格を1円のまま据え置いた。Kamgrasは、株価、応募のペース、今後の応募の見通しを総合的に勘案し、TOBの成立可能性を高めるため変更したとしている。
Kamgrasはまた、カカクコムの株価が9月29日時点でTOB価格を上回って推移していると説明している。ただ、通知にはその具体的な株価は示されていない。
Kamgrasの説明による対抗側の発表
Kamgrasによると、BCPE Blitz Cayman, L.P.は9月16日、1株3597円での対抗TOBを予定していると発表した。Kamgrasは、必要な競争法上の承認は完了しているにもかかわらず、このTOBの開始時期が9月中旬から未定に変更されたと主張している。
Kamgrasは、自社のTOBが続く限り、対抗側の価格は実現できないと主張する。5月12日付のKamgrasとカカクコムの公開買付契約では、カカクコムが対抗TOBに賛同できるのは、価格がKamgrasの価格以上の場合に限られる。9月16日時点でその価格は3680円だった。
対抗側の条件付き価格3720円は、KDDIとの不応募契約の成立が前提となる。Kamgrasは、自社とKDDIの契約では、KDDIが応募するには、対抗TOBの価格がKamgrasの価格を2%以上上回る必要があると説明する。この基準は9月16日時点で3754円、今回の変更後は3755円になった。Kamgrasは、3720円でもこれを下回ると主張している。
| 価格の区分 | 1株当たり | 条件 |
|---|---|---|
| Kamgrasの買い付け価格(9月29日以降) | ¥3,681 | 10月14日まで |
| 対抗側の通知(BCPE Blitz Cayman, L.P.) | ¥3,597 | 9月16日発表、開始時期は未定 |
| 対抗側の条件付き価格 | ¥3,720 | KDDIとの不応募契約が成立した場合に限る |
| KDDIの価格基準 | ¥3,755 | Kamgrasの価格を2%上回る水準(9月29日の変更後) |
Kamgrasは、対抗側の姿勢は真摯な提案ではないとし、合理的な根拠を欠く公開買付けの予告に関する金融庁のQ&Aを挙げて、対抗側は自社のTOBの阻止を狙っていると主張している。これらはKamgrasの主張であり、いかなる当局の判断でもない。
Oasisの応募は未定
Oasisは8月18日、買い付け価格が3640円を下回るTOBは支持しないと表明した。Kamgrasは、9月10日以降、応募をめぐりOasisと複数回協議したが、決まったことはないとしている。TOBは、Kamgrasが再び延長しない限り、10月14日に終了する。
