価格比較サイト運営会社カカクコムを非公開化する買収者Kamgras 1は9月10日、公開買付価格を1株3571円から3680円に引き上げた。これは4回目の価格引き上げとなる。締め切りは3週間延長され9月29日となった。この延長により、5月13日の開始から公開買付期間は95営業日となる。
今回の引き上げは、8月18日に1株3640円を下回る買付には応じないと公表していた投資家オアシスに直接応える形となった。3680円という水準はこの基準をクリアしており、買収者は、オアシスが最終的に応募する可能性は「大幅に高まった」との見方を示している。オアシスとの間で応募契約は締結されていない。
デジタルガレージとKDDIは公開買付けには一切応募しないが、取引の他の部分には組み込まれている。4091万7700株(発行済株式の20.64%)を保有するデジタルガレージと、3501万6000株(17.67%)を保有するKDDIは、発行済株式総数1億9821万8300株の38.31%にあたる合計7593万3700株について、公開買付けに応募せず、Kamgras 1が希望する全株式を取得できなかった場合に残る少数株主をスクイーズアウトする株式併合を支持する応募対象外契約を締結した。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 公開買付価格 | 1株3680円(3571円から引き上げ) |
| 公開買付期間の締切 | 2026年9月29日(9月10日から延長) |
| デジタルガレージの持株 | 4091万7700株(20.64%)、応募対象外 |
| KDDIの持株 | 3501万6000株(17.67%)、応募対象外 |
| 合計阻止株数 | 7593万3700株(発行済株式1億9821万8300株の38.31%) |
| スクイーズアウト後の買戻価格 | 1株2992円(2903円から引き上げ) |
このスクイーズアウトの後、カカクコム自身がデジタルガレージとKDDIから、応募しなかった株式の全てを買い戻す。買戻価格は当事者間で1株2903円から2992円に引き上げられた。デジタルガレージはこの対価の一部を、Kamgras 1の親会社の議決権のおよそ20%相当の取得に充てる計画で、上場廃止後も同事業への経済的な関与を維持する狙いがある。
KDDIとの契約は、カカクコムを巡って競合する対抗提案者にとっても事態を複雑にしている。Kamgras 1はすでにKDDIと応募対象外契約を締結しているため、対抗提案者が独自にKDDIを個別に確保するという前提条件を満たすには、現行の買付価格(9月10日時点で3754円)を2%以上上回る価格で、カカクコムを非公開化する全株式対象の公開買付けを実施する必要があるとKamgras 1は主張している。Kamgras 1は、この条件を踏まえると、対抗提案者が以前示していた3640円という価格は非現実的だとしている。
価格の引き上げに伴い、資金調達額も増加した。Kamgras 1の親会社が拠出するエクイティは2110億円から最大2250億円に増額され、これに加えて三井住友銀行、みずほ銀行、野村キャピタル・インベストメント、横浜銀行、きらぼし銀行、あおぞら銀行の6行から最大2250億円の借入れを受ける。公開買付けの成立には最低3494万1000株の応募が必要で、この最低水準では買収者および特別関係者の合計保有比率は17.51%となる。
3680円という買付価格は、取引発表前日のカカクコムの終値2774円を32.66%上回り、買収に関する報道が出る前の終値2121円と比べると73.50%高い水準となる。公開買付けが予定通り終了した場合、Kamgras 1は10月6日頃の決済、11月中旬のスクイーズアウトに関する株主総会、2027年1月上旬の買戻しを見込んでいる。
