トライアルホールディングス(141A)が、2025年7月1日に完全子会社化したスーパーの西友の統合について、数値目標を示した。9月29日の事業計画・成長可能性資料は、2026年6月期の売上高1兆3500億円に対し、2029年6月期は売上高1兆6300億円、営業利益640億円を目標とする。決算そのものは先に報じた。同資料は2026年2月12日発表の中期経営計画に言及し、その計画の2026年6月期予想を成長率算出の起点としている。目標の裏付けとなるマイルストーン、シナジー額、初期の店舗での実績も示している。
3カ年の目標
グループ目標は二つの事業に配分され、グループ段階でのれん償却額152億円を差し引く。同社は、のれん償却や減価償却は資金流出を伴わないため、EBITDAを重要な指標と位置づけているとしている。
| 項目 | トライアル | 西友 | トライアルホールディングスグループ |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1.05tn | ¥580bn | ¥1.63tn |
| 営業利益 | ¥61.2bn | ¥18.0bn | ¥64.0bn |
| EBITDA | ¥75.0bn | ¥25.0bn | ¥100.0bn |
押し上げ効果の源泉
トライアルホールディングスは3つの施策の効果を数値で示している:
- 調達:トライアルと西友の卸売業者や仕入れルートを一本化し、仕入条件をそろえることで、2026年6月期下期から2027年6月期までに売上総利益を累計130億円押し上げる見込み。同社は、創出した利益の一部を顧客獲得のための値下げに充てるとしている。
- プライベートブランドとカテゴリーマネジメント:2029年6月期までに売上総利益を累計450億円押し上げ、グループのプライベートブランドの売上構成比を25%に高める計画。
- システム:西友をトライアルのシステムに移行することで、2029年6月までに年間20億円のコスト削減を見込む。
店舗:業態転換、改装、出店
グループは2026年6月末時点で621店舗となり、前年から269店増えた。うち西友は243店舗。計画では西友は243店舗を維持し、3年間でハイパーマーケット30店を新業態「トライアル西友」に転換し、スーパーマーケット60店を改装する。トライアル自体は、スーパーセンター35店と小型店のTRIAL GO 100店を閉店なしで出店して378店から513店に増やし、主にスーパーセンターを中心に45店を改装する計画。
現時点で実績の裏付けは限られている。「トライアル西友」に転換した西友の店舗は6月末時点で3店、9月29日時点で5店。資料によると、転換・改装した西友の店舗では、その後の数カ月間に、売上高が前年同期比で約22%増と約42%増、客数が約23%増と約38%増となった。同社は、転換した店舗が転換後3年目に転換前より売上高60%増の水準に達することを目指している。
目標の裏にある貸借対照表
有利子負債は6月末時点で3946億円、自己資本は1309億円で、D/Eレシオは3.01だった。計画は、純有利子負債をEBITDAの3倍以内、自己資本比率を20%以上とする目標を掲げる。新リース会計基準は2028年6月期から同社に適用されるが、計画は同基準を適用せずに組み立てている。同社自身のリスク情報の項では、土地、建築、資金調達、労働の各コストが上昇すれば、出店や改装のペースが減速する可能性があると警告している。
