福岡を拠点とするディスカウント小売業者、トライアルホールディングス(141A)は、2025年7月1日付でスーパーマーケットチェーンの西友を連結対象に加え、2026年6月期の連結売上高は前年の8038億円から67.6%増の1兆3500億円になったと発表した。親会社株主に帰属する当期純利益は118億円から70%減の35億円に、経常利益も222億円から9.1%減の202億円となり、増収ながら減益だった。開示資料は、この年の業績変動の多くを西友買収によるものとし、単体(親会社)レベルではそれに伴う借入コストが要因になったとしている。
| 指標 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | ¥803.8bn | ¥1.35tn |
| 経常利益 | ¥22.2bn | ¥20.2bn |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | ¥11.8bn | ¥3.5bn |
| 総資産 | ¥300.3bn | ¥807.8bn |
| 自己資本比率 | 42.0% | 16.2% |
| 自己資本利益率 | 9.7% | 2.7% |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 44億円使用 | 921億円創出 |
トライアルホールディングスは2025年7月1日に西友の全株式を取得し、西友とその子会社2社を連結の範囲に加えた。これにより店舗数は245店増加し、うち170店がスーパーマーケット、75店がハイパーマーケット(リヴィン5店を含む)だった。年度中に1店を新規開店、3店を閉店した結果、西友の店舗数は期末時点で243店となった。同時点のトライアル単独の店舗網は378店(フランチャイズ3店を含む)だった。グループ全体の店舗数は期末に621店となり、同社は2025年11月以降、旧西友の店舗のうち3店を、首都圏の消費者を対象としたハイブリッド形態「トライアル西友」に転換した。
買収は財務内容も大きく変えた。総資産は3003億円から2倍以上に膨らみ8078億円となり、主に買収に伴うのれんの2920億円増加が要因だった。純資産は1290億円から1344億円への小幅な増加にとどまり、自己資本比率は42.0%から16.2%に低下、自己資本利益率(ROE)は9.7%から2.7%に落ち込んだ。営業活動によるキャッシュ・フローは前年の44億円の使用から大幅に転じて921億円の創出となり、仕入債務(買掛金)の485億円増加が寄与した。
トライアルホールディングスは買収資金を三菱UFJ銀行からの1年物ブリッジローンで調達し、期末時点の残高は3674億円だった。このローンには、純資産を前年比75%以上に維持することと、2期連続の営業損失を回避することを求める財務制限条項(コベナンツ)が付されている。このブリッジローンは2026年7月1日付でシンジケートローン(ターム・ローン)に借り換えられた。年度の投資活動によるキャッシュ・フローは4050億円の支出となり、このうち連結範囲の変更に伴う子会社株式の取得による純支出が3590億円を占めた。買収に伴う資金調達コストを直接計上する単体(親会社)ベースでは、トライアルホールディングス単体の経常損益は84億円の損失、当期純損益は50億円の損失だった。
2026年2月に策定した中期経営計画では、2029年6月期に売上高1兆6000億円、EBITDA1000億円、営業利益640億円を目標とするとともに、買収に伴う債務を3年間で1150億円返済し、自己資本比率を20%以上に回復させる方針を示した。取締役会は、2026年9月25日開催予定の定時株主総会での承認を条件に、1株当たり配当を前年の16円から17円に引き上げる案を提案している。
