杏林製薬(4569)は、ダイトが2026年4月24日に発表した基本合意に続く後発医薬品事業の売却について、株式譲渡契約を締結した。この基本合意については、Tokyo Briefの過去記事で取り上げた。2026年9月30日付の発表で、買い手の出資者、譲渡される工場、杏林製薬が手元に残す事業が確定した。オーソライズド・ジェネリック事業は杏林製薬グループ内にとどまる。
譲渡の対象
杏林製薬は、完全子会社の後発医薬品会社の全株式を、ダイト、Meiji Seika ファルマ、日本政策投資銀行(DBJ)が設立する共同出資会社に売却することで合意した。3社は9月30日に合弁契約を結び、杏林製薬は共同出資会社の出資者との間で株式譲渡契約を結んだ。共同出資会社は、設立後速やかに買主としての地位を承継する予定。
株式譲渡に先立ち、いずれも2027年3月31日を効力発生日とする2件の吸収分割を予定する。1件は、杏林製薬の完全子会社である工場子会社が持つ高岡工場と井波工場の事業を、後発医薬品子会社が承継するもの。もう1件は逆に、後発医薬品子会社のオーソライズド・ジェネリック事業(一部の販売事業を除く)を工場子会社が承継するもの。この結果、共同出資会社が引き継ぐのは工場に関わる事業で、オーソライズド・ジェネリックは含まれない。杏林製薬の取締役会は、この2件と株式譲渡をいずれも決議した。
工場と出資者
高岡工場は富山県にあり、面積は4万2457平方メートル。2024年に開設され、2026年3月時点の従業員は41人。井波工場も富山県にあり、面積は1万2967平方メートル。1975年に設立され、従業員は170人。3社は高岡工場について、少品種大量生産に適し、設備が未実装のスペースも大きいとしており、集約生産のモデル工場にする方針。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約締結 | 2026年9月30日 |
| 共同出資会社の設立 | 2026年12月(予定) |
| 吸収分割の効力発生 | 2027年3月31日(予定) |
| 共同出資会社への株式譲渡 | 2027年4月1日(予定) |
| 共同出資会社の出資者 | ダイト49.1%、Meiji Seika ファルマ36.0%、DBJ14.9% |
共同出資会社は資本金1億円の持ち株会社として、2026年12月に富山市で設立する予定。純資産と総資産は未定。ダイトとMeiji Seika ファルマの持分法適用関連会社になる予定。DBJは特定投資業務のサプライチェーン強靱化・インフラ高度化ファンドを活用し、種類株式を引き受けて出資する方針。
スケジュールと未確定の点
株式譲渡は2027年4月1日を予定する。杏林製薬の臨時報告書によると、これにより同子会社は特定子会社に該当しなくなり、杏林製薬が持つ議決権6013個(割合100.0%)はなくなる。9月30日より後の事項はいずれも計画段階で、共同出資会社はまだ存在せず、吸収分割も効力を生じていない。
通知に売却価格の記載はなく、譲渡株式数は未定とされている。明治ホールディングス(2269)は、2027年3月期の連結業績への影響は軽微で、業績予想は修正しないとした。3社は、後発医薬品の供給不安の緩和に向け、共同出資会社が製造販売承認や屋号の統合を含む工場と品目の集約に取り組むとしている。
