公正取引委員会(公取委)は2026年9月29日、東京都のエアブラスト装置メーカーに対し、中小受託事業者46社への未払い代金を支払うよう勧告した。同社が支払を遅らせたと認定した。多くは、支払期日までに全額の現金と引き換えられない電子記録債権を交付する方法だった。同社の資本金は1億円で、委託当時の従業員は300人を超えていた。
3つの支払方法、1つの違反
同社は、部品の製造を44社に、完成した装置の運送を2社に委託していた。45社は納品または運送のあった月の翌月末が支払期日で、1社は翌々月末だった。公取委は支払遅延を3種類認定し、いずれも支払期日経過後の不払いを禁じる規定に当たるとした。
| 支払方法 | 中小受託事業者 | 金額 |
|---|---|---|
| 受領後60日超の支払 | 1 | ¥309,892 |
| 手形 | 5 | ¥3.87mn |
| 支払期日までに全額の現金と引き換えることが困難な電子記録債権 | 40 | ¥70.79mn |
公取委は、手形と電子記録債権の使用時期を2026年2月から5月としている。3種類の金額を合計すると、公取委が遅延分とみる7497万円になる。同社はこのうち6493万円を2026年8月までに支払った。支払済みの額は7497万円に含まれ、上乗せ分ではない。60日超で支払われた1社と手形の5社には、7月までに全額が支払われた。電子記録債権の40社のうち、記録上は2社を除く38社に支払われている。
同社に求められる対応
同社は、支払済みの6493万円を充当した後の残額を、公取委の確認を得たうえで支払わなければならない。あわせて、各中小受託事業者から給付を受領した日、または役務の提供を受けた日から60日を経過した日を起点に、年14.6%の遅延利息も支払う必要がある。45社のうち、代金を受け取るために手数料を負担した事業者があれば、同社はその分を補填しなければならない。支払は現金またはこれと同等の手段で行う必要がある。
勧告はまた、取締役会の決議で、この行為が法に違反することと、今後の支払期日を受領日から60日以内でできる限り短く定めることを確認するよう求めている。同社は、発注担当者に取適法の研修を行うなど、再発を防ぐ社内措置を講じなければならない。役員、従業員、取引先の中小受託事業者に勧告を周知し、講じた措置を公取委に報告する必要もある。
改正法の適用が問われる事案
中小企業庁長官は、関東経済産業局の調査を受け、9月3日に公取委へ措置を請求した。公取委によると、2026年1月1日に施行された改正法は、手形による支払と、支払期日までに全額の現金と引き換えられない電子記録債権による支払を禁じている。改正では従業員基準も加わり、従業員300人以下の受託事業者も保護対象となり得る。本件の46社のうち20社は、この基準によってのみ対象となった。
公取委の関連リーフレットには、もう一つの日付がある。2027年4月1日からは、取適法の対象外となる製造委託等の取引でも、受領日から60日以内に支払期日を定める必要がある。
