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政策ウォッチ

国交省、景観再生事業の指針案 初期の賃料抑制も例示

10月27日まで意見募集中の国土交通省の指針案が、景観再生事業の開始時に使用対価を市場価格より低く設定し、差額を後で回収する方法の検討を自治体に求める

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月30日3分で読める
静かな通り沿いの古びた店先。1軒は足場を組んで改修中で、脇に家賃が時間とともに上がることを示す階段状のグラフ

国土交通省は、自治体が新たな景観再生事業を運営する際の指針案について、意見公募を始めた。案は、事業初期に使用対価を市場価格より低く設定することなどを含め、建造物の使用対価に十分配慮するよう自治体に求めている。意見募集は2026年9月28日に始まり、2026年10月27日18時に締め切る。

指針のねらい

指針は、2026年5月27日公布の法律(令和8年法律第23号、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律)による景観法改正で創設された景観再生事業を実施するためのもの。同省は景観法第8条第5項に基づき、行政手続法が命令等の案について定める意見公募の手続を経て策定する。

案の説明によると、事業は人口や来訪者の減少、建造物の老朽化で街並みが損なわれた区域が対象となる。景観行政団体(景観法に基づく自治体)または景観整備推進法人が、所有者に代わって建造物の改修、管理、活用を連鎖的に行い、エリア価値の向上を図る。

区域は絞り込み、計画に明記

事業を行う自治体は、実施区域と事業実施方針を景観計画に定めなければならない。案は、区域は早期に効果が表れるよう必要以上に広げず、事業の効果の表れ方に応じて段階的に拡大・変更するのがよいとしている。同一地域に複数の事業がある場合は、それぞれの区域を必要最小限にとどめる。

事業実施方針には、区域の目指す将来像、自治体の役割、景観整備推進法人に期待する役割とその指定の考え方、再生協定建造物の改修、用途、利用に関する基本的事項を盛り込む必要がある。

使用対価の規定

案は、資金、経営能力、技術力を持つ民間事業者の参入が欠かせないとする。また、長く遊休状態にある建造物は、改修後に収益が上がるまで通常かなりの時間を要するとしている。このため、建造物の使用対価は事業の進捗段階に応じて柔軟に設定するよう求めている。例として、初期段階は市場価格より低く設定し、建造物が収益を上げ始めた後や区域内の市場価値が上昇した後に、抑制した分を回収する方法を挙げる。案はさらに、協定の終了後にいずれか一方の当事者に一方的な不利益が生じないようにするとしている。

契約には、事業の実施のために結ぶものである旨を記載する。契約形態と対価、改修の範囲と費用負担、改修後の帰属も明確に定める必要がある。協定が廃止された場合に契約を解除できる旨を定めることとしている。ただし案は、契約を継続することを妨げるものではない。

財政措置と国の関与

案は、自治体が協定期間中、事業に対する財政的措置を積極的に検討することが望ましいとしている。予算額や補助率は示していない。

国は二つの役割を担う。国土交通大臣が、情報の蓄積、事業者の確保・育成、自治体と事業者のマッチングを目的とする会員組織を景観再生事業推進プラットフォームとして指定し、同省のホームページで公表する。事業を行う自治体は加入しなければならず、案はプラットフォームの会員を景観整備推進法人に指定することが望ましいとしている。

大臣は、事業を有効に活用し、適切な景観形成基準を定めた景観計画の認定も行う。認定を受けた計画には、プラットフォームを通じた技術的助言と支援が提供される。認定計画の変更は、軽微なものを除き、改めて認定を受ける必要がある。

同省の予定では、指針は2026年11月下旬に公布・施行する。改正法の施行日に当たる。案はまた、社会状況や技術の変化を反映し、必要に応じて見直すとしている。