楽天銀行(5838)は10月1日、楽天グループ(4755)のフィンテック事業再編のうち株式交付が効力を生じ、楽天カードと楽天証券ホールディングスの100%親会社となった。楽天銀行は両社の議決権の100%をそれぞれ保有する。楽天グループとみずほ銀行は、対価として楽天銀行の新株を受け取った。
異動前後の楽天カードの株主
楽天カードは臨時報告書で、楽天銀行が同社の普通株式8万4128株をすべて取得し、新たな親会社になったと説明した。異動前は楽天グループが7万1509株(85.0002%)、みずほ銀行が1万2619株(14.9998%)を保有していた。異動後は、両社とも同社の主要株主として記載されていない。
報告書は支配関係も記している。楽天銀行は楽天カードの完全親会社となり、楽天グループは楽天銀行の親会社である。楽天カードの直接の親会社は変わったが、グループ全体はなお上位にある。
楽天銀行の発表文によると、同行は楽天証券ホールディングスの株式3億9904万4000株を取得し、こちらも議決権の100%を保有する。両社とも株式交付計画が定める株式数の下限以上となり、これが効力発生の条件だった。
楽天銀行の対価
楽天銀行は対価としてA種種類株式2億3089万116株を新たに発行した。内訳は、楽天カードの株主向けが1億5706万6976株、楽天証券ホールディングスの株主向けが7382万3140株。全体のうち2億733万443株が楽天グループに、2355万9673株がみずほ銀行に交付された。
直後に、みずほ銀行は保有するA種種類株式をすべて普通株式に1対1で転換した。楽天グループは2585万9500株を転換した。楽天銀行の普通株式の発行済株式数は2億2393万6153株となった。
| 株主 | 普通株式数 | 普通株式に占める割合 | 議決権に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 楽天グループ | 111,822,080 | 49.93% | 49.95% |
| みずほ銀行 | 23,559,673 | 10.52% | 10.52% |
このためみずほ銀行は楽天カードの直接の主要株主ではなくなったが、楽天銀行の普通株式と議決権の10.52%を保有する。位置が上位に移っただけで、枠組みから外れたわけではない。楽天グループの普通株式は楽天銀行の普通株式の49.93%で半数にわずかに届かず、議決権では49.95%となる。
前提条件と法人所得税費用
株式交付は、再編の対象外の事業の移管が済んで初めて効力を生じ得た。楽天銀行の発表文は、楽天カードから楽天グループへの楽天ペイメント株式95.28%の譲渡、楽天証券ホールディングスから楽天グループへの楽天ウォレット株式の現物配当、台湾の銀行の1%の持ち分の楽天生命保険への譲渡を挙げている。
楽天グループは、楽天ペイメント株式の譲渡で楽天カードに譲渡益が生じたとした。2026年12月期第3四半期の連結決算で、約230億円の法人所得税費用を計上する見込みという。この取引の譲渡益は連結上消去されるため、グループ決算には表れない。税額は10月1日時点の楽天グループ自身の試算で、会計監査などを経て変動する可能性がある。
楽天銀行は、2027年3月期の連結業績への影響は現在精査中だとした。開示すべき事項が判明すれば速やかに知らせるとしている。
楽天銀行の定款変更も効力を生じた。A種種類株式の規定を新設し、発行可能株式総数を15億株とした。内訳は普通株式が12億株、A種種類株式が3億株。
