文部科学、農林水産、国土交通の3省は、市町村の歴史的風致維持向上計画を定める基本方針の改正案について、意見を募集している。改正案は、計画の重点区域の核となり得る文化財の範囲を広げ、追加分の一部に条件を付けている。受け付けは2026年9月29日から10月28日18時まで。
改正案の内容
同方針は、「歴史的風致」を、地域固有の歴史や伝統を反映した人々の活動によって築かれてきた良好な市街地の環境と、歴史上価値の高い建造物およびその周辺の市街地と定義する法律を運用するためのものだ。同法の下で、計画を作成する市町村は重点区域を定めなければならず、区域は保護対象の文化財に関する所定の要件を満たす必要がある。
省がまとめた概要によると、改正法で対象となる文化財建造物の類型が広がった。追加されたのは、重要文化的景観、国登録有形文化財、国登録有形民俗文化財、国登録記念物、地方公共団体指定文化財。改正案はこれらを、重点区域の設定に関する章に書き込んだ。現行の文言は、指定された重要文化財建造物等と重要伝統的建造物群保存地区を区域の核としていた。
追加分への条件
制限は2つある。国登録有形文化財は、景観法に基づく景観重要建造物にも指定されている場合に限り対象となる。概要はこれを、歴史的風致の核としての建物の保全を担保するための措置と説明している。
2つ目の制限は認定時の確認要件だ。省がまとめた概要によると、新たに加わった類型を含む重点区域では、計画の認定時に、核となる文化財が地域の歴史的風致の核になっていることを計画で示す必要がある。改正後全文は、この要件を、登録文化財、都市計画または条例で定めた伝統的建造物群保存地区、地方公共団体が指定した建造物と文化的景観に適用する。国が選定した重要伝統的建造物群保存地区内の土地は除く。主務大臣が方針に照らして計画を認定するため、この文言が市町村に課される基準となる。
文化財保存活用地域計画との連携
改正案は、文化財保護法に基づく文化財保存活用地域計画についての記述も加えた。同計画を作成済みまたは作成中の市町村が歴史的風致維持向上計画の認定を申請する場合、内容の調和を図るなど、両計画の十分な連携を求めている。
スケジュール
省がまとめた概要は、公布・施行の予定を2026年11月下旬、改正法の施行日としている。改正法は令和8年法律第23号で、都市再生特別措置法などを改正するもので、2026年5月27日に公布された。告示案は施行日を空欄にしている。告示は、計画を持つ市町村の数や、新たに対象となり得る市町村の数には触れていない。
