8月に日本を訪れた外国人旅行者数は約310万人となり、前年同月比9.6%減った。観光庁が9月16日の記者会見で示した数値による。7月と8月の数値は推計値で、7月は0.1%増だった。1~8月の累計は約2763万人で、2.7%減だった。
低調な8月、過去最高を記録した市場も
観光庁によると、23の国・地域のうち14が8月として過去最高を記録した。イタリアとスペインは、月を問わず単月で過去最高となった。8市場は前年同月を下回った。
観光庁は減少について独自の見方を示し、複数の要因が絡んでおり、原因を一つに特定できないと指摘した。一部の国からの航空便が前年より減ったこと、祝日の時期のずれ、航空会社の燃油サーチャージの上昇を挙げた。
訪日客、地震の影響は限定的との判断
日本政府観光局(JNTO)は、22の重点市場の海外旅行会社に自然災害の影響を聞き取った。一部の国・地域の旅行会社は、2026年の熊本地震を受けて、熊本県を含むツアーの行程を調整していた。SNSや現地メディアの報道は、地震直後に比べて落ち着いたと観光庁は説明した。大雨被害については、日本旅行に絡めてあまり話題になっている市場はないと聞いたという。
観光庁は、日本全体の訪日旅行への影響は現時点で限定的とみられると述べ、引き続き注視するとした。これは聞き取りに対する観光庁の評価で、会見では8月の減少と地震を結び付けていない。
国内、キャンセルは九州に集中
観光庁が説明する被害は国内のものだ。大手旅行会社は観光庁に対し、地震直後の熊本のキャンセルは前年の5倍に達し、九州全体でも2倍を超えたと伝えた。先月大雨に見舞われた千葉と北陸地方では、大半の企業が災害当日と翌日に一時的なキャンセルがあったと報告したが、これまでのところ大きな影響は出ていない。
九州の割引事業
観光庁の九州復興応援割は、10月1日以降の宿泊が対象となる。風評被害への対応、失われた需要の回復、新たな需要の喚起を目的に掲げる。観光庁はすでに、キャンセルの規模に応じて各都道府県に予算を配分しており、使途は各都道府県が決める。予約サイト以外にも、旅館、ホテル、旅行会社での販売が順次始まる見通しだ。
観光庁は割引率も予算総額も示していない。補助分を価格に上乗せしないよう、旅行・宿泊事業者に注意喚起することを都道府県に要請したという。価格が明らかに妥当な範囲を超える場合、都道府県は国に報告した上で、事業者を事業から除外することを含め厳正に対処する。
観光庁は、まず事業を実施して効果を検証するとも説明した。その上で、訪日プロモーションや観光コンテンツ開発の支援など、他の施策を検討する可能性があるとした。
