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金融庁審査会、店舗コストと合併前提を指摘し新潟2信組の合併了承

新潟の信用組合の合併計画を了承した金融庁の審査会は、貸出金・金利・経費の前提条件の明確化と、店舗コストの厳格な検討を求めた。計画は2032年3月まで基盤的金融サービス利益の赤字を見込む。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月30日3分で読める
通帳と現金トレーが置かれた信用組合の店舗カウンター、取り外される店舗看板、2つの店舗を結ぶ図

金融庁の審査会は9月2日、新潟の2つの信用組合の合併計画を了承したが、委員は1時間の会合で店舗コストや独特の指標、計画の前提条件を巡り指摘を重ねた。議事要旨は、これらの指摘が当局の今後のモニタリングの重点を示すものだとしている。

金融庁は9月29日に計画を認定し、両信組は4億1640万円の資金交付を求めている。議事要旨は審査会が見解に至った経緯を補足しているが、議事要旨自体が暫定版で今後変更があり得ると明記されている。

審査会委員が指摘した点

店舗を巡っては、委員は、地域金融機関が店舗を重視する考え方には現時点では一定の理解ができるとした。一方、店舗を維持して粘着性の高い預金を獲得するにはコストがかかるため、店舗戦略とコストの見合いをよく考える必要があると指摘した。また、人口減少や高齢化、デジタル化の進展により、顧客が店舗に来られなくなる時が来る可能性もあり、店舗中心の現行戦略を不断に検討する必要があるとした。

開示を巡っては、修正資金利益など独特の指標があるため、収益構造やシナジー効果をより分かりやすく説明するよう両信組に求めた。また、計画の実現可能性を評価できるよう、貸出金や金利、経費に関する主要な前提条件を示すよう求めた。議事要旨は、これらの要望が今回に限った話ではないと記している。

商品面では、投資信託などの金融商品の販売を拡大するには、高齢の顧客が多いことから、コンプライアンスや顧客保護などの管理態勢の確保が重要だと委員は指摘した。

経営陣が審査会に説明した内容

両信組の理事長は、規模の小さい側の組合の営業地域には、規模の大きい側の組合の店舗網がほとんどないと述べた。同地域には、大きい側の組合が持つ課題解決型のソリューション営業のノウハウや金融商品を展開する方針だ。資金利益の増加は主に貸出金残高の増加と貸出金利の上昇によるものと見込み、一部には中央機関預け金での運用収益も含まれるという。預金では、地域性を生かしたキャンペーンを実施し、粘着性の高い個人預金を中心に獲得を進めるとした。

また、規模の小さい側の組合の顧客は合併を歓迎しており、離職した職員はいないと述べた。店舗網については、基本的な店舗網は維持しつつ、小さい側の一部店舗を移転するとした。対面での業務が信用組合の強みだと考えているためだという。

慎重な見方の背景にある数字

2026年8月付の計画ダイジェスト版は、2026年11月24日ごろの合併を目標とする。両組合合算の基盤的金融サービス利益は、2026年3月期にマイナス19億8000万円だった。合併のシナジー効果を織り込むと、2032年3月にはマイナス8億5000万円まで赤字幅が縮小するが、計画は赤字の継続を見込む。同時点までのシナジー効果は5億3000万円とみており、内訳はトップラインが3億8800万円、コストが1億4200万円。

店舗統廃合関連の措置が最大の費目で、総費用9億1610万円のうち6億1040万円を占め、これに対して求める資金交付額は2億7750万円だ。措置には、ある店舗を別の店舗のサテライト店舗に移行することや、ほかの複数店舗の移転が含まれる。規模の小さい側の組合の本店の新築も含まれる。