金融庁は2026年9月29日、金融機能の強化のための特別措置に関する法律に基づき、新潟県の2信用組合が提出した組織再編成等実施計画を認定した。計画は同法の資金交付制度に係るもの。両組合は2026年11月24日をめどに合併する予定だ。
資金面
計画は経営基盤強化措置の費用を9億1610万円とし、うち8億3280万円が交付対象経費となる。両組合は交付元の機構に4億1640万円の交付を求める予定だ。これは認定された計画に基づく請求予定額で、資金が支払われたことを示す記載は資料にない。
| 措置 | 費用 | 交付対象経費 | 交付請求予定額 |
|---|---|---|---|
| システム改修 | ¥41.8mn | ¥38.0mn | ¥19.0mn |
| 機器・装置導入 | ¥255.0mn | ¥231.8mn | ¥115.9mn |
| 店舗統廃合関連 | ¥610.4mn | ¥555.0mn | ¥277.5mn |
| 合併関連対応 | ¥8.9mn | ¥8.1mn | ¥4.0mn |
| 合計 | ¥916.1mn | ¥832.8mn | ¥416.4mn |
最大の項目は店舗統廃合関連だ。計画は店舗施策を6件挙げており、小さい方の組合の1店舗を大きい方の組合の店舗のサテライト店舗に移行するものや、別の1店舗を店舗内店舗に移行するものが含まれる。
両組合が挙げる必要性の理由
大きい方の組合は新潟県内に43店舗を展開する。小さい方は新潟市西区を中心に5店舗を構える。両組合合わせた県内シェアは預金が2.89%、貸出金が2.26%。データのある取引事業者の67.75%は従業員5人以内だ。
両組合とも、貸出や手数料の基盤的業務では赤字が続く。2026年3月期の両組合合算の基盤的金融サービス利益は19億8000万円の赤字だった。計画は、人口減少、人件費の上昇、物価上昇に伴う物件費の増加、貸出金利回りに先行して上昇した預金コストを挙げる。県内の生産年齢人口は2025年の115万人から2050年には74万人に減る見通しだ。
見込まれる効果
計画は、合併のシナジー効果を織り込んでも赤字が続くと見込む。シナジー効果は2032年3月期までに年5億3000万円と試算し、内訳は収益面が3億8800万円、費用面が1億4200万円。この場合の赤字は8億5000万円となり、シナジー効果前は13億8000万円。2028年3月期は、システムや機器の費用が先行するため2億100万円のマイナスを見込む。いずれも両組合の見通しで、実績ではない。
