JX金属(5016)は、Tronox Holdings plcとレアアース製錬事業を共同で手掛けられるかどうかを検討することで合意した。JX金属は2026年9月29日に検討の開始を決議し、同日に契約を締結した。開示されたのは事業化可能性の検証であり、工場の承認や着工、供給契約ではない。
費用と日程
検討費用は総額3200万ドルを見込む(2026年9月28日時点の1ドル=157円で計算すると約50億円)。両社が50%ずつ負担する予定だ。共同検討は2026年10月に始まる予定で、2027年中の完了を目指す。
候補地は豪州と米国だが、リリースは「等」とも記しており、現時点の想定にすぎない。検討では、レアアース精鉱・元素の浸出、分離、精製の事業性を評価する。
検証の対象
検討では、Tronoxおよび第三者由来のレアアース鉱物を処理する事業について、技術面、経済性、事業体制を検証する。現在の構想は、レアアース酸化物換算で年間最大約1万トンの生産を想定している。これは検討上の計画値であり、建設済みまたは承認済みの生産能力ではない。
役割分担も明記されている。JX金属は、非鉄金属の製錬・リサイクル・高純度化のノウハウと、先端材料分野の知見を提供する。Tronoxは、レアアースを含む鉱物資源、鉱山操業・鉱物分離の知見、放射性物質を含む原料・製品の取り扱い経験を持ち込む。候補地の事業基盤とインフラも提供する。
JX金属が世界最大級の酸化チタン顔料メーカーの一つと説明するTronoxは、すでにレアアース事業への展開を検討している。リリースによると、豪州にあるミネラルサンド鉱山と鉱物分離設備の活用を検討している。
JX金属が関心を持つ理由
JX金属は、レアアースは同社の先端材料に欠かせないとし、資源開発の分野でサプライチェーンの強靭化に取り組んできたと説明する。製錬工程が加われば、原料から製品までがつながる。同社は日本のレアアース供給の多様化と安定供給への貢献を目指すとしており、背景にある課題として、製錬を含む各工程で特定の国・地域への依存度が高い点を挙げている。
同社は、2027年3月期の連結業績への影響は軽微としている。リリースには、事業参入の決定も、工場への投資額も、引き取り条件も示されていない。
