金融庁は、特定社会基盤事業者が重要設備の供給者、導入担当者、維持管理担当者について政府に届け出る内容を広げる命令案6本をまとめた。意見募集は2026年10月31日正午まで行っている。
一連の命令案は、2026年6月の経済安全保障推進法の改正を受けたものだ。金融庁によると、同改正は基幹インフラ制度の運用改善を定めており、導入等計画書の記載事項の変更などが含まれる。命令案は内閣府令1本と、法務、財務、厚生労働、農林水産の各相との共同命令5本で構成する。制度では、指定を受けた事業者は特定重要設備を導入する前、または重要維持管理等を委託する前に、導入等計画書を届け出る。
記載が必要な者
設備の供給者については、名称、代表者、住所、設立地に加え、法人番号を届け出る。供給者の議決権の5%以上を保有する者も同様で、法人番号、設立地、保有割合を新たに記載する必要がある。様式は、個人と法人番号が付与されていない法人については法人番号欄を空欄とするよう指示している。対象は部品の供給者、維持管理の受託者、下請事業者にも及ぶ。
第16条に新たな号を設け、導入に関与する者を命令本体に明記する。現行の様式でも既に記載を求めているが、案では各記載に法人番号を加える。様式は、これらの者を、事業者と供給者の間に立ちサプライチェーン管理で重要な役割を担う仲介者、またはサイバーセキュリティー対策を確認し設備の機能を変更し得る者と定義している。各記載には、名称、代表者、住所、設立地、役割の内容を記す。
届出の手続き
有効期限のない添付書類は、届出前3カ月以内ではなく6カ月以内に作成したものでなければならない。事業者が妨害行為防止措置を講じていることを示す書類が新たに必須となり、この期間の要件は適用されない。役員の生年月日と国籍を裏付ける第9条第2項第2号の書類は、同法の基幹インフラに関する章に基づき既に届け出た内容に変更がなく、計画書にその旨を記載すれば、添付を省略できる。ただし、当局が求める場合はこの限りでない。
保有状況の基準時点は、届出前2カ月以内ではなく6カ月以内となる。設備の所在地は、少なくとも都道府県単位まで届け出る。クラウド利用者はクラウド事業者名を記載し、都道府県の代わりにクラウドのリージョンを示してもよい。データセンター利用者はデータセンター事業者名を記載する。妨害行為防止措置のチェックリストで事業者がチェックを入れた項目ごとに、裏付け書類が必要となる。
届出後の変更
供給者の追加は重要な変更に当たる一方、供給者の名称変更は重要な変更の一覧から外れる。第25条は既に部品の種類、名称、機能の変更を対象としている。案では、これに伴う部品供給者の名称、住所、法人番号、設立地の変更を加える。新設の第2条の2は、合併、分割、事業譲渡があった場合に、指定基準の判定で、承継した事業の実績を承継した側の実績とみなし、承継させた側の実績からは除く。
施行時期
金融庁は、意見募集の終了後、所要の手続きを経て命令を公布・施行する予定としている。それまでは案の段階にとどまる。
