オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、2026年10月1日時点の発行済み株式総数6億7912万8200株のうち、エムスリー(2413)株6435万2600株、保有割合9.48%を保有している。直前の報告書では8.46%だった。ケイマン諸島の運用会社による10月8日提出の変更報告書No.4は、株券等保有割合が1%以上増加したことが提出事由で、報告義務の発生日は10月1日。
8.46%の水準についてはTokyo Briefの9月の記事で報じた。今回の報告書で新たに加わったのは、保有株数の増加と、さらに買い増す計画の明記だ。
条件付きで予定する買い増し
オアシスは、ポートフォリオ投資の一環として、市場内外の取引を通じてエムスリー普通株式の株券等保有割合を5%超引き上げる意向だとしている。報告義務の発生日である10月1日から3カ月以内の実施を見込む。
この計画には条件が付く。エムスリーの株価がオアシスの割安と判断する水準にあることなどに左右される。取得価格、数量、時期は引き続き検討中で、買い付けには当局への届け出や承認が必要になる場合がある。報告書は、買い増しが3カ月の期間より後にずれ込む可能性にも触れている。報告書に記されたのは意向であり、取得が完了したわけではない。
直近60日間の取得状況
報告書には、8月3日から10月1日までのほぼ毎営業日の市場内取得が記載されている。最大は8月7日の609万5500株(発行済み株式総数の0.90%)で、次いで9月15日の391万4600株(0.58%)。最後の記載は10月1日の70万株(0.10%)。これらの取引の単価は記載されていない。取得資金は1068億円で、全額がファンドの資金。自己資金や借入金はない。
提案は実施済みと今後の予定
オアシスは、提案の目的について、エムスリーの経営陣と経営方針について意見交換を行い、中長期的な企業価値を向上させ、ガバナンスを改善することだと説明している。
報告書によると、オアシスはすでに、法令上の2つの類型に該当する事項についてエムスリーに提案を行っている。1つは、エムスリーの発行する有価証券の取引所での上場廃止。もう1つは、資本政策に関する重要な変更で、第三者によるエムスリー株の取得により、その第三者が保有する議決権が過半数を超えることとなるものを含む。
オアシスは、今後12カ月の間に、以下のより広範な事項について提案を行う予定としている。
- 代表取締役の解職
- 特定の者の役員への選任
- 役員の数に係る変更を含む、役員構成の重要な変更
- 事業の一部の譲渡、譲受け及び休止
- 配当に関する方針の重要な変更
- 上場廃止
- 上記の資本政策に関する重要な変更及び過半数取得に関する事項
報告書が示しているのは提案の類型であり、その内容ではない。オアシスが取締役として誰を推すのか、エムスリーにどの事業を譲渡させるのか、どのような配当方針を求めるのかは記されていない。この一覧はオアシスが取り上げる可能性のある事項を示したにすぎず、取引の合意、取締役会の変更、上場廃止が決まっていることを示すものではない。
