2026年9月25日に関東財務局に提出された変更報告書No.3によると、ケイマン諸島に拠点を置くアクティビストファンド、オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドはエムスリー(2413)株式の保有割合を、直前開示の7.40%から8.46%に引き上げた。この1ポイントの増加により日本の大量保有報告制度に基づく提出義務が生じ、オアシスの保有株式数は、エムスリーの2026年9月15日時点の発行済株式総数6億7912万7600株のうち5745万1700株となった。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 直前の報告における保有割合 | 7.40% |
| 今回の報告における保有割合 | 8.46% |
| 保有株式数 | 57,451,700 |
| エムスリー発行済株式総数(2026年9月15日時点) | 679,127,600 |
| 取得資金 | 946億円、全額ファンド資金、借入なし |
今回の報告書からは、一括での取得ではなく段階的な買い増しの実態が読み取れる。オアシスは7月21日から9月15日にかけて市場内で繰り返しエムスリー株式を買い付けており、その規模は8月26日の600株から8月7日の609万5500株まで幅があり、期間最終日である9月15日には391万4600株を取得した。取得資金は総額約946億円で、全額がファンド資金に分類されており、運用会社自身の資金や借入金は含まれていない。開示書類には自己資金の拠出も借入も記録されていない。
保有目的について、報告書はオアシスがエムスリーの中長期的な企業価値向上に資する事項について同社と対話を行っており、東京証券取引所への上場廃止、および大量保有府令が定める資本政策の重要な変更や、発行者以外の者による取得で議決権の過半数を第三者が保有することになる場合に関する事項について同社に提案を行ってきたと説明している。オアシスは、提案の目的はエムスリーの経営陣と経営方針について意見交換を行い、提案事項の一部または全部の実行を通じて同社の企業価値を高めガバナンスを改善することにあるとしている。これとは別に、オアシスは今後12か月の間に、代表取締役の解職、特定の者の役員への選任、役員構成の重要な変更、事業の一部の譲渡・譲受け・休止、配当方針の重要な変更、上場廃止、および発行者以外の者による取得で議決権が過半数を超えることになる第三者取得に関する提案を行う予定であるとしている。報告書によれば、解職、役員選任、役員構成、事業譲渡、配当方針に関する項目は今後12か月以内に提出予定の提案であり、上場廃止と資本政策・過半数取得に関する項目のみが既にエムスリーに提示済みである。
報告書はさらに、条件付きの追加計画も明らかにしている。オアシスは、ポートフォリオ投資の一環として、市場内外の取引を通じて保有割合をさらに5ポイント超引き上げる意向を示している。こうした取得は、エムスリー株式の市場価格が割安と判断される水準にあることなど、明示されていないその他の条件次第であり、報告書は価格・数量・時期は引き続き検討中としている。オアシスは9月15日の報告義務発生日から概ね3か月以内にこの取得を完了することを目指しているが、当局への届出や承認が必要となる場合には期間がずれ込む可能性があるとも付言している。
