国税庁は10月8日(木)、今年度第6期の酒類業振興支援事業費補助金の公募を開始した。申請期限は10月28日(水)正午。酒米価格の高騰または米国関税措置の影響を受けた事業(影響を受ける見込みの場合を含む)は、計画がその影響への対応として関連性があると認められれば、優先採択の対象となる。このうち酒米価格に関する優先採択は、申請者または参画事業者に酒類製造免許を持つ者がいる場合に限る。
二つの申請枠、二つの上限額
同事業は、酒類製造免許または販売業免許を持つ酒類事業者、または酒類事業者を1者以上含むグループを対象に、海外展開か国内外の新市場開拓のいずれかの取り組みを支援する。目的は日本産酒類の輸出拡大と酒類業の経営改革・構造転換としている。
| 項目 | 海外展開支援枠 | 新市場開拓支援枠 |
|---|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1 | 2分の1、小規模事業者は3分の2 |
| 1件当たりの上限額 | 1000万円 | 500万円 |
| 1件当たりの下限額 | ¥500,000 | ¥500,000 |
| 計画要件 | 記載なし | 給与支給総額を年率平均1.5%、売上額または付加価値額を年率平均3%増加 |
| 事業期間 | 交付決定日から2027年2月28日まで | 交付決定日から2027年2月28日まで |
海外展開支援枠は、海外でのブランド化、インバウンド向けの酒蔵ツーリズム、酒米産地との連携を対象とする。新市場開拓支援枠は、商品の差別化、新たな販売手法、製造・流通でのICT活用、酒米産地との連携を対象とする。酒類事業者3者を含むグループ申請は、海外展開支援枠で上限1200万円を申請できる。連携する事業者が増えるごとに上限は引き上げられ、最大1500万円となる。
新市場開拓支援枠の付帯条件
新市場開拓支援枠の申請者は、給与支給総額を年率平均1.5%以上、売上額または付加価値額を年率平均3%以上増やす3~5年の事業計画を提出しなければならない。給与支給総額の伸びが目標に届かない場合、国税庁は導入した設備の簿価または時価のいずれか低い方のうち、補助金額に対応する分の返還を求めることができる。給与支給総額の伸びが売上額または付加価値額の伸び率の2分の1を超える場合や、天災など事業者の責めに帰することができない理由がある場合は、返還を求めない。
3分の2の補助率が適用される小規模事業者は、常勤従業員が20人以下(卸売・小売業は5人以下)の事業者。事業終了までにこの定義から外れた場合は2分の1となる。
評価が劣後する事業
経費がすべて設備投資で、設備の導入で完結する事業は、審査で評価が劣後する。補助事業期間中に製品の販売や営業活動を行う事業も、所定のテスト販売を除き同様に評価が劣後する。審査は最大6人の外部有識者の意見を踏まえ、100点満点で行う。酒米価格高騰や米国関税措置の影響による加点を受けるには、影響を示す書類を添えた確認書の提出が必要で、今年度に行う取り組みがその影響への対応として関連性があると認められなければならない。酒米価格高騰による加点は、申請者または参画事業者が製造免許を持つ者である場合に限る。このほかの加点は、国の一定の事業計画の認定を受けた事業者やパートナーシップ構築宣言を行った事業者が対象で、加点項目は最大2項目まで。
期限と資金
申請はJグランツのみで受け付け、GビズIDプライムアカウントが必要となる。同アカウントの郵送による登録には1~2週間かかり、IDの発行が遅れても申請期限は猶予されないと公募要領は定めている。補助対象は、交付決定後に発注し、2027年2月28日までに支払いを終えた経費に限る。採択された申請者でも、予算の都合で希望額より減額される場合がある。公募要領は今回の予算総額を示していない。
