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政策ウォッチ

CCSガイドライン案、貯留事業者に30年分の引継ぎ拠出金

経産省と環境省は10月31日まで、ガイドライン案への意見を受け付けている。案は貯留事業者に、JOGMECへの拠出金を通じて引継ぎ後30年分のモニタリングの費用を負担させる内容で、書き換える許可・閉鎖の審査基準についても意見を募っている。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月5日3分で読める
坑井、海底の貯留層、モニタリング用センサーを備えた洋上の二酸化炭素貯留プラットフォームの断面イラストと、長い期間にわたり積み立てる資金を示す棒を並べた図

政府はCCS事業法の運用の細目について、意見公募を始めた。経済産業省資源エネルギー庁は2026年10月2日、意見公募を2件開始した。締め切りはいずれも10月31日。対象は、環境省と共同で策定する貯留事業の実施に関するガイドライン案と、同法に基づく許可・認可の判断に経産省が適用する審査基準の改正案である。

なぜ今

CCS事業法のうち貯留事業と導管輸送事業に関する部分が2026年5月22日に施行され、同法は全面施行となった。経産省は、これに伴い審査基準の改定が必要になったとしている。ガイドラインは、法律や政省令に定める義務を解説し、事業者が実施すべき事項を示すもので、事業が適切に実施され、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)へ適切に引き継がれるようにする狙いがある。ガイドライン案の意見公募は任意の意見募集で、行政手続法に基づく手続ではない。

注入終了後の長期費用の負担

事業上の焦点は、注入終了後の費用だ。ガイドライン案は、事業者に対し、注入期間中に引当金の計上または大臣が認めるその他の措置で資金を確保し、注入後のモニタリング、閉鎖措置、緊急対応の費用に充てるよう求めている。これとは別に、毎年の拠出金をJOGMECに納める。拠出金は、JOGMECが30年間のモニタリング、緊急措置、残置される坑井や構造物の維持管理を賄えるよう設定する。案は見積もり総額にリスクプレミアムを上乗せする。

30年という期間は法律には明記されていない。ガイドラインは海外の事例を根拠とし、見直すとしている。貯留事業者が事業の廃止を申請できるのは、最後の注入から少なくとも10年が経過した後に限られる。大臣は、注入量が少なく、10年以内に貯蔵が安定しその後も安定が続くと判断する場合、この期間を短縮できる。

モニタリングの段階と報告

事業者は、モニタリングを通常時、懸念時、異常時の3段階で計画しなければならない。通常時のモニタリング結果は遅滞なく、懸念時の結果は直ちに、異常時の結果は定期的または求めに応じて報告する。事業者は、認可を受けた貯留事業実施計画について、少なくとも年1回報告する義務も負う。計画の変更には認可が必要だが、注入量の削減や、注入後の事業運営費の見積額またはJOGMEC引継ぎ後の管理費の見積額の増加が10%未満の場合は、届け出で足りる。

ガイドラインには、浅海域の洋上プラットフォームから年数百万トンを25年間注入するモデルケースを盛り込んでいる。案はこれを基準ではなく例示と位置づけている。この例では、3次元弾性波探査をおよそ5年ごとに実施し、海洋環境調査は注入開始から5年間は年4回、次の5年間は年2回、その後は15年間、年1回実施する。

許可の審査基準

経産省の審査基準の改正案は、従来は試掘を対象としていた規定を、貯留事業の許可全般を対象とする内容に書き換える。貯留事業実施計画の認可、閉鎖措置計画、拠出金の額などについての基準も加える。貯留料金が明らかに過大な場合や、工事費の分担が明らかに不合理な場合など、約款の変更を命じる事由も追加する。意見は2件とも日本語で、電子政府の総合窓口「e-Gov」、郵送または電子メールで受け付ける。