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トーシンホールディングス更生案、利息債権推計6億3500万円を株式化

トーシンホールディングスの更生計画案は、利息・損害金債権の推計6億3500万円をA種種類株式に振り替え、創業者関係の議決権を約26%に下げる。債権者の投票は10月29日に始まり、現金調達枠は埋まっていない。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月2日4分で読めるトーシンホールディングス9444
大きな株式のかたまりが、水平なしきい線の下で債権者保有分の小さなかたまりに一部置き換わる様子を示した抽象図

トーシンホールディングス(9444)の管財人は、再建に向けた資本増強の第一段階を、新規投資家ではなく債権者が担う方法を示した。同社は2度の会計不祥事を受け、5月に会社更生手続に入った(過去の記事)。9月9日に東京地方裁判所へ提出され、10月2日に公表された更生計画案によると、A種種類株式を最大488万4884株、1株130円で発行する。債権者は、利息・損害金債権の推計6億3500万円を消滅させて払い込む。現金の流入はない。

債権者が得るもの

割当予定先は、金融機関12行(三井住友銀行、瀬戸信用金庫を含む)、リース会社のNECキャピタルソリューション、同社の子会社の計14先。三井住友銀行は212万190株を取得し、計画の試算で議決権比率は18.84%となり、第2位の株主になる。株式化するのは利息と損害金の債権のみで、貸付元本と更生担保権は対象外だ。開示によると、管財人は元本の株式化について金融機関の理解を得るのは難しいと見ていた。また、更生担保権を対象にすると債権者が担保権を失い、衡平性に欠ける可能性があるとしている。

A種種類株式は議決権を持つが配当はなく、清算時には普通株式と同順位となる。譲渡には取締役会の承認が必要だ。同社は、スポンサーが契約を結んだ場合、上場廃止が決まった場合、または裁判所の許可を得た場合に、発行価格と同額で買い戻せる。裁判所の許可を得て普通株式へ転換することもでき、転換価額は半年ごとに30取引日の平均値へ修正され、130円から600円の範囲に収まる。15年経過後は、分配可能額を上限に、発行価格と同額の現金で全株を取得する。現金で取得できない分は普通株式と交換する。

開示によると、割当予定先として挙がった各社のいずれも、株式の引き受けに合意しておらず、計画案への投票も行っていない。本文は最大株数を488万4884株とする一方、発行要項の別紙は465万8179株と記載している。いずれも確定していないとされる。

持ち株比率と希薄化

同社は、創業者本人、親族、資産管理会社を合わせた創業者関係の保有分が、議決権の約46%から約26%に低下し、債権者が約43%を持つと試算している。任意の追加措置により、創業者関係の持ち分は最大で約20%まで下がる可能性がある。開示が示す最大のケースで、第1回新株予約権がすべて下限の200円で行使される場合だ。対象は700個の新株予約権で、1個1788円。行使は凍結された債権の拠出に限られ、行使価額は30日平均株価の95%で、200円から600円の範囲内となる。潜在株式数の上限は350万株。

同社の算定では、A種種類株式による希薄化率は最大76.7%で、9月7日時点の議決権6万3712個を基準にしている。新株予約権がすべて下限の200円で行使されると131.6%に上昇する。10月2日には外部の弁護士が、債権の株式化は必要かつ相当との意見を示した。独立した算定機関は、発行価格130円に対し、A種種類株式を1株34.5円と評価した。

引受先が決まらない現金調達枠

更生計画案は、新たな資金調達の余地も残す。150円以上で普通株式を最大653万6800株、100円以上でB種種類株式を最大653万6800株、第2回新株予約権を最大2000個発行できるとする。参考値の合計は、一定の前提で46億7000万円。割当先は未定だ。開示によると、管財人は移動体通信、不動産賃貸、ゴルフ場リゾートの各事業を一括して引き受ける現実的な提案を得られず、計画案の提出期限までにスポンサーを選べなかった。ただ、探索は続けている。スポンサーが現れれば、債権の株式化の全部または一部を停止するか、A種種類株式を買い戻す可能性がある。

更生計画案に盛り込まれた証券
計画に記載された上限・下限。割当先と最終金額は確定していない。第2回新株予約権の単価は第1回の価格を前提とする。
証券割当先最大規模価格条件
A種種類株式債権者14先(試算)488万4884株1株130円、債権の消滅で払い込み
第1回新株予約権希望した債権者700個、最大350万株1個1788円、行使価額は30日平均の95%(200円~600円)
普通株式未定653万6800株150円以上、現金払い込み
B種種類株式未定653万6800株100円以上、現金払い込み
第2回新株予約権未定2000個1個1788円(参考の前提)、行使による調達額は最大20億円

減資と条件

別の開示によると、更生計画の認可決定日に、資本金が6億4210万円減って1億円に、資本準備金が8億8060万円減ってゼロになる。いずれも純資産の部内の振替のため純資産額は変わらず、生じた剰余金は欠損の填補に充てることができる。2回目の減資は、認可決定の確定から3か月以内に払い込まれた現金出資の株式で増える資本金を減らす。

現時点で効力が生じるものはない。更生担保権者、更生債権者、株主による書面投票は2026年10月29日から11月16日まで行われる。同社は11月中旬ごろの認可決定を見込み、株式の発行は認可決定が確定した後になる。