日本M&Aセンターホールディングス(2127)は、2024年12月と2025年12月に実施した中間配当がいずれも、会社法と会社計算規則に基づく分配可能額を超過していたと投資家に通知した。超過額が大きかったのは2025年12月の配当で、8億3320万円だった。同社は株主に返還を求める予定はないとしている。
二つの配当の概要
中間配当はいずれも1株当たり14円だった。2024年12月5日が効力発生日の1回目は、総額44億4000万円に対し分配可能額が43億7000万円で、超過額は7170万円だった。2025年12月5日が効力発生日の2回目も総額は44億4000万円だったが、分配可能額は36億1000万円で、超過額は8億3320万円だった。
| 項目 | 2025年3月期中間 | 2026年3月期中間 |
|---|---|---|
| 取締役会決議日 | 2024年10月30日 | 2025年10月30日 |
| 効力発生日 | 2024年12月5日 | 2025年12月5日 |
| 1株当たり配当額 | ¥14 | ¥14 |
| 配当金の総額 | ¥4.44bn | ¥4.44bn |
| 効力発生日時点の分配可能額 | ¥4.37bn | ¥3.61bn |
| 分配可能額を超過した額 | ¥71.7mn | ¥833.2mn |
同社は、2025年2月7日、2026年1月26日、同年2月13日、同年3月6日に1株に満たない端数の買い取りを計4件実施し、買取価額の総額は1万8451円だったとも明らかにした。いずれも、実施時点で分配可能額をすでに超過していた。
同社の説明
日本M&Aセンターホールディングスによると、初期的な社内調査では、各中間配当を取締役会で決議した際に分配可能額の算定と確認が適切に行われていなかったことが判明した。取締役会を含む関係者は、上限を超過していることを認識していなかったとしている。
同社の説明では、中間配当に係る分配可能額は、最終事業年度末日の剰余金を基礎とし、その後の期末配当などを控除して算定する。最終事業年度末日後に稼得した利益は、臨時計算書類を作成し承認した場合にのみ算入できる。同社は多額の自己株式を保有しており、その帳簿価額は剰余金から控除される。このため前期末配当の実施後に残る分配可能額は中間配当の総額を下回っていたが、効力発生日時点の分配可能額を算定・確認する手続きが不十分で、超過に気づかなかった。
会計監査人の有限責任監査法人トーマツが2026年9月30日、配当が分配可能額を超過している可能性があると同社に指摘した。同社は10月1日に超過を確認した。
今後の対応
日本M&Aセンターホールディングスは、近日中に外部の専門家で構成する第三者委員会を設置するとしている。委員会は事実関係の調査、原因の究明、取締役らの責任の有無の検討、再発防止策の提言を行う予定だ。同社が示した意図と原因に関する説明は、委員会ではなく同社自身による初期的な調査結果である。
同社によると、2025年6月と2026年6月に実施した期末配当は分配可能額の範囲内だった。2027年3月期の中間配当と株主還元策は、分配可能額の範囲内で実施することを前提に改めて検討する。連結業績と財務諸表への影響は軽微とみており、開示すべき事項が生じれば開示するとしている。通知には委員の氏名や報告時期の記載はない。
