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政策ウォッチ

公取委・中企庁、新たな企業取引研究会を開催 調査でルール定着の遅れ判明を受け

公取委と中小企業庁が非公開の企業取引研究会を開催する。調査でサプライチェーンの深い層ほど価格転嫁が進んでいないことが分かったためで、議事要旨は速やかに公表する

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月7日2分で読める
積み重なったサプライチェーンの層を木箱とコンテナで表し、深い層ほど値札が減っていく様子を描いたイラスト。横には空の委員席の表がある

公正取引委員会と中小企業庁は2026年10月7日、企業取引研究会を開催すると発表した。最近の一連のルール整備では不十分だとみていることがうかがえる。研究会は議論の場であり、新たな強制力のあるルールではない。発表文は特定の企業に対する認定を示していない。

これまでのルール整備

発表文によると、今回の研究会は2024年12月の企業取引研究会報告書に続くものだ。当局は、同報告書が示した課題に対し、一連の措置で対応してきたとしている。内容は下記の通り。

発表文が挙げるルールの変更
日付は2026年10月7日の発表文の記載による。最後の2項目について、発表文は施行日を示していない。
措置成立・公表施行
下請法の改正2025年5月成立2026年1月
物流特殊指定の改正2026年6月公表2027年4月
支払告示2026年6月公表2027年4月
優越ガイドラインの改定2026年6月公表記載なし
知財取引指針2026年6月公表記載なし

このうちいくつかはまだ効力が及んでいない。発表文によると、物流特殊指定の改正と支払告示はいずれも2027年4月に施行される。

両庁が不十分とみる理由

根拠として挙げたのは二つの政府調査だ。中小企業庁の「価格交渉促進月間フォローアップ調査」と、公正取引委員会の「価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」である。両庁はこれらの結果から、なお三つの課題があるとしている。事業者へのルールの定着が進んでいないこと。サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁が進んでいないこと。個別の業界で、価格転嫁や取引適正化を阻害する商慣習が確認されていること。発表文はこれらを調査から両庁が導いた結論と位置づけており、調査の数値は示していない。

研究会の目的は、優越的地位の濫用や取適法などに関する課題を把握し、具体的な方策を検討することだ。両庁は、企業行動を変革して実行に移し、商慣習のさらなる改善を進めることが狙いだとしている。

委員構成と運営方法

研究会は公正取引委員会事務総局と中小企業庁の共催。委員は学界、法律事務所、製造業、経済・労働団体の出身で、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会などが含まれる。座長は東京大学の名誉教授が務める。金融庁、総務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省がオブザーバーとして参加する。

会合は非公開とする。両庁は委員による自由闊達な意見交換を促すためとしている。議事要旨は速やかに公表するという。発表文は初回の開催日も提言の時期も示していないため、調達や取引先コンプライアンスの担当者にとっては、議事要旨が議論の方向性を知る最初の手がかりとなる。