警察庁が10月2日に公表した暫定値によると、特殊詐欺の被害額は今年1~8月に2361億円となり、2025年同期比で33.2%増えた。認知件数は14.4%増の2万9687件で、3732件増加した。被害額の伸びが件数の伸びを上回った。
警察庁は特殊詐欺を、被害者に電話やSNSなどを通じて対面することなく信用させ、指定口座への振り込みなどで現金などをだまし取る犯罪と定義している。恐喝やキャッシュカードの窃盗も含まれる。
ネット投資詐欺が首位
被害額が最も大きいのはSNS型投資詐欺で、認知件数は7097件(49.4%増)、被害額は937億円(53.8%増)だった。次いで大きいのはニセ警察詐欺で、警察官を装い捜査を名目に金銭を要求する手口だ。件数は4.1%減の6346件だったが、被害額は27.0%増の729億円となった。SNS型ロマンス詐欺はほぼ横ばいで、3506件(0.4%増)、被害額326億円(0.8%増)だった。
| 手口 | 件数 | 件数の前年同期比 | 被害額 | 被害額の前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 特殊詐欺全体 | 29,687 | +3,732 (+14.4%) | ¥236.1bn | +33.2% |
| SNS型投資詐欺 | 7,097 | +2,347 (+49.4%) | ¥93.7bn | +53.8% |
| ニセ警察詐欺 | 6,346 | -274 (-4.1%) | ¥72.9bn | +27.0% |
| SNS型ロマンス詐欺 | 3,506 | +13 (+0.4%) | ¥32.6bn | +0.8% |
警察庁は統計の示し方を変更した。2026年1月からニセ警察詐欺を独立した手口として扱っており、従来はオレオレ詐欺などに計上していた。SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺は特殊詐欺の総数に含めている。
直近月は低水準
累計では増加が続くが、直近の月は勢いが弱まっている。8月の被害額は253億円、認知件数は3636件で、2025年8月は297億円、3613件だった。SNS型投資詐欺の被害額は1月の157億円から8月は56億円に減り、2025年8月は142億円だった。公表資料にこの動きの説明はない。
一部の従来型の手口は減少した。預貯金詐欺は43.2%減の667件、還付金詐欺は10.0%減の2058件だった。
検挙は増加、比較には留意点
特殊詐欺の検挙は5443件(25.2%増)、1949人(26.6%増)だった。警察庁によると、2026年の検挙件数・人員には、犯罪収益が特殊詐欺に由来する組織的犯罪処罰法違反が含まれる。2025年はSNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺を除き、この違反は含まれていないため、前年との比較は厳密には同じ条件ではない。
ニセ警察詐欺の検挙は673件、307人だが、前年との比較はない。この手口の検挙統計は2026年に始まったためだ。2026年の数値はすべて暫定値となっている。
