インフロニア・ホールディングス(5076)は、普通株式4782万6100株を新規発行し、調達資金をまず2件の買収に伴う短期借入金の返済に充てる方針だ。取締役会は2026年10月2日、国内外での同時募集の実施を決議した。発行価格は未定で、主な金額は発表前の株価を基に算出した上限額にとどまる。
資金の使途
手取概算額の合計は最大1472億4000万円。内訳は海外分が956億4000万円、国内分が323億6000万円、オーバーアロットメントに関連する株式発行が全額実施された場合は最大192億4000万円となる。3つの金額はいずれも、最終的な発行価格ではなく、2026年9月25日の東京証券取引所の終値を基に算出した。
同社は、1170億円を2026年12月までに短期借入金の返済に充てるとしている。残額が生じた場合は、2028年3月末までに建設請負、インフラ運営、スタジアム・アリーナ事業を中心とした戦略的M&Aに充てる。M&Aを実施しなかった場合、残額は既存借入金の返済に回す。
1170億円は2件の借入金で構成する。1件目は770億円で、返済期限は2027年3月25日。2026年10月1日に社名変更した旧三井住友建設の買収に当たり、三井住友銀行と三井住友信託銀行から借り入れた950億円の残額にあたる。インフロニア・ホールディングスは2025年12月23日、同社を941億3000万円で完全子会社化した。2件目は400億円で、返済期限は2027年7月1日。水処理会社の買収のため、同じ銀行グループの融資部門とSBI新生銀行から借り入れた。この買収は2026年7月1日に752億円で完了した。
株式の配分
新株4783万株は目標とする配分だ。国内募集と海外募集の最終的な内訳は、10月21日から26日までの間の発行価格等決定日に確定する。米国での海外販売は、ルール144Aに基づく適格機関投資家に限る。
| 区分 | 株数 | 状況 |
|---|---|---|
| 海外募集 | 35,750,000 | 目標。米国ではルール144Aに基づく |
| 国内募集 | 12,076,100 | 目標。全株を引受会社が買い取り |
| 公募新株の合計 | 47,826,100 | 2つの目標の合計(会社発表による) |
| オーバーアロットメントによる売出し(借入株式) | 7,173,900 | 上限。減少または不実施の可能性 |
| SMBC日興証券への第三者割当 | 7,173,900 | 上限。オーバーアロットメントに左右される |
SMBC日興証券は、国内募集と並行して、借り入れた株式を最大717万3900株売り出す場合がある。標準的なオーバーアロットメントの仕組みだ。その後、返還のため同数を上限に新株を引き受ける。市場で買い戻していない株式についてのみ引き受けるため、第三者割当は縮小したり、実施されなかったりする可能性がある。この株数は上限であり、追加で確実に供給される株式ではない。
価格、時期、希薄化
仮条件は、発行価格等決定日の東証終値に0.90~1.00を乗じた価格。公募の払込期日は10月27日から30日までの間。第三者割当の払込期日は11月25日から12月1日までの間。引受手数料は支払わず、引受会社は発行価格と会社への払込金額との差額を手取りとする。
発行済み普通株式数は、主募集後に2億7484万5024株から3億2267万1124株に増え、第三者割当が全て引き受けられれば3億2984万5024株になる。同社の2029年グリーン転換社債は、現行の転換価額で潜在株式3613万5870株に相当し、拡大後の普通株式数の10.96%にあたる。
インフロニア・ホールディングスは、今回の調達が今期の業績予想に影響しないとしている。2027年3月期から、1株当たり配当の下限を60円から90円に引き上げ、配当性向は40%以上とした。同社と大株主には受渡日から180日間のロックアップが適用されるが、ジョイント・グローバル・コーディネーターは解除できる。
