本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

アークランズ委員会、ペット子会社CFOの利益過大計上を認定 10月13日に訂正

独立委員会は、ペット小売り子会社のCFOが業績を過大に報告したことによる2026年2月期のアークランズの純利益の押し下げ額を13億円と推計した。ただアークランズは、10月13日に公表予定の訂正後決算の最終数値は異なる見込みとしている。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月2日3分で読めるアークランズ9842
不揃いな列の台帳2冊と、ペットフードの箱が並ぶ棚。食い違いの上にルーペが置かれている

アークランズ(9842)の特別調査委員会は、ペット小売り子会社ペッツファーストホールディングス(PFH)の最高財務責任者(CFO)が不正な財務報告を行い、親会社へ送った数値で利益を過大に計上していたと結論づけた。ホームセンターを展開するアークランズは10月2日に報告書を受領し、10月13日に決算短信の訂正と訂正報告書の提出を行う予定だと発表した。

委員会の調査結果

外部専門家3人で構成する委員会は、PFHがアークランズに送った月次報告と四半期ごとの連結レポーティング・パッケージに、子会社の会計システムとは異なる数値が使われていたと認定した。アークランズは2025年6月6日、PFHの全株式を現金65億円で取得した。

委員会によると、2025年4〜12月についてアークランズへの報告数値は、会計システム上の数値より営業利益で8億5700万円、経常利益で7億1800万円、純利益で7億2100万円過大だった。CFOは独自の予測シミュレーションを作成し、報告数値が見込みや調整後の数字であることをアークランズに伝えなかった。さらに、既に報告した数値に連結パッケージを合わせるよう担当者に指示したと認定した。委員会はこれを不正な財務報告と判断した。

委員会は、アークランズやPFHの他の役員が会計処理を指示または承認した証拠は確認しなかった。CFOがPFHをよく見せること自体を目的にしたとも断定できないとした。調整に加わった経理担当者2人は、不正な財務報告を企図または主導したとは認定されなかった。

これとは別に、委員会は、棚卸資産に含まれるグループ内取引の未実現利益が連結で消去されていなかったことを確認した。このためアークランズの棚卸資産は、中間期末で4億3800万円、期末で4億7100万円過大になったという。貸倒引当金6500万円と賞与引当金6000万円は、本来の時期ではなく2026年3月に計上された。その結果、通期の販売費及び一般管理費は1億2500万円過少となった。委員会はこれらを意図的な先送りとし、同じく不正な財務報告に当たると判断した。

推計された影響額

委員会は、調査で判明した事項全体が、アークランズの2025年8月までの6カ月間と2026年2月期の連結業績に与える影響額を推計した。

アークランズの利益に対する委員会の推計影響額
委員会の推計値、単位は百万円。マイナスは利益の減少を示す。最終的な訂正額ではない。中間期は2025年3〜8月、通期は2025年3月〜2026年2月。
項目中間期通期
営業利益-614-1,437
経常利益-553-1,297
純利益-557-1,300

推計には、委員会が調査対象としなかった固定資産の評価と繰延税金資産の回収可能性への影響は含まれていない。

最終的な数字が異なる見込みの理由

アークランズは、委員会の算定額は最終的な訂正額ではないと説明した。軽微な未修正事項とPFHの繰延税金資産の回収可能性の見直しを加え、委員会の算定額との重複を整理する方針。最終的な訂正額は報告書の内容と異なる見込みだという。

アークランズは10月13日に、2026年2月期の第2四半期、第3四半期、通期の決算短信を訂正する。半期報告書、有価証券報告書、内部統制報告書の訂正報告書も提出する予定だ。期末後45日を超えることになった今期の第1四半期決算も、中間決算と併せて公表する。再発防止策も同日に発表する。

調査は任意調査で、委員会は、社長として留任したPFHの前オーナーが使っていた私物パソコンを保全できなかった。一部のデータは復元できなかった。強制的な調査権限を持つ当局が調べれば、異なる事実が確認される可能性がある。