非居住者は9月、取得額を上回る証券を処分し、売り越しの大半は株式と短期債によるものだった。財務省が2026年10月8日付で公表した月次統計によると、対内証券投資のネット合計はマイナス6兆9980億円(公表資料の単位である1億円でマイナス6万9978)。同省の表記ではプラスが取得超、マイナスが処分超を示すため、マイナスは非居住者が差し引きで売り越したことを意味する。
株式は売り越し、中長期債は買い越し
資料は対内投資を3種類の商品に分けている。非居住者は株式・投資ファンド持分を6兆2900億円売り越した(取得141兆9000億円、処分148兆2000億円)。中長期債は3兆900億円買い越した。短期債は逆に3兆8000億円の売り越しだった。
| 項目 | ネット(億円) | ネット(簡略表示) |
|---|---|---|
| 株式・投資ファンド持分 | -62,935 | -6兆2900億円 |
| 中長期債 | 30,907 | 3兆900億円 |
| 小計 | -32,028 | -3兆2000億円 |
| 短期債 | -37,950 | -3兆8000億円 |
| 合計 | -69,978 | -7兆円 |
小計と合計は別の数字
資料は各方向について2本の見出し行を示している。小計は株式・投資ファンド持分と中長期債の合計で、合計はこれに短期債を加えたものだ。非居住者の小計は3兆2000億円の処分超、合計は7兆円近い。小計だけを引用すると、合計の半分超を見落とすことになる。短期債だけで3兆8000億円の処分超となるためだ。同省は、四捨五入のため合計が合わない場合があるとも注記している。
居住者の海外での売り越しは小幅
対外投資(居住者による外国証券の取得・処分)では、小計ネットがマイナス6767億円、合計ネットがマイナス2197億円。いずれも処分超だ。対外ネットから対内ネットを差し引いた月中ネット増減額は、小計で2兆5300億円、合計で6兆7800億円を示す。
付表は対外投資を投資家部門別に分けている。中央銀行を除く預金取扱機関は全商品合計で2兆5900億円の処分超だった一方、金融商品取引業者、信託銀行、投資信託委託会社を含む「その他部門」は2兆3700億円の取得超だった。
対象範囲
統計は、外国為替の取引等の報告に関する省令第21条に基づき財務大臣が指定した銀行等、金融商品取引業者、保険会社、投資信託委託会社、資産運用会社といった指定報告機関の報告を基にしている。資料は通貨建てではなく、証券発行体の居住性で資金の流れを分類している。これは同機関による報告取引の指標であり、国境を越えた資本移動全体を示すものではなく、それだけで円相場や株価の動きを説明するものでもない。
