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メンバーズ、AI需要の読み誤り認める 当面は人員削減計画せず

メンバーズ社長は、通期の営業利益予想を92%引き下げた要因は市場環境だけでなく過信にもあると説明した。同社は今期中にAI専門人材230人の輩出を目指し、現時点で人員削減は計画していない。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月9日3分で読めるメンバーズ2130
定型業務のカードが縮小する一方、連結したAIサービスのノードの小さな集まりが拡大し、その横で稼働率の線が落ち込んでから部分的に回復する様子を描いたイラスト

メンバーズ(2130)は、通期の営業利益予想を25億円から2億円に引き下げた背景には、市場環境だけでなく、生成AIの見極めの遅れもあると説明した。デジタルサービスを手掛ける同社は10月9日、質疑応答の開示と社長メッセージでこれを認めた。

社長は、昨年のDX事業の成長で過信していたと記した。昨年はDXが売上高の54.2%を占め、DXの付加価値売上高は32.6%増加した。社長によると、特定のスキル領域では大規模な専門人材体制への需要が想定を上回る速さで減少しており、対応の遅れが今回の修正の「根本的な要因」だという。Tokyo Briefの以前の記事は9月30日の修正そのものを取り上げた。

判断の遅れを認める

メンバーズは7月31日の第1四半期決算発表時に予想を据え置き、中間期末の9月30日に修正した。遅れではないかとの質問に対し、経営陣は、低単価案件からの撤退、顧客の投資削減、生成AIによる内製化で稼働率が低下していることは第1四半期の時点で認識していたと説明した。AX関連の受注と単価改定で計画は達成可能と判断したという。8月以降は、AX案件が売上計上に至るまで想定より時間がかかり、稼働率も計画を下回った。

経営陣は、判断が後手に回り、投資家に早い段階で注意を促せなかったとの指摘を受け止めると述べた。月次で計画と実績を管理し、乖離が一定水準に達すれば、四半期決算を待たずに速やかに開示するとした。開示資料はその水準を示していない。

数字が示すもの

全デジタルクリエイターの稼働率は、第1四半期が74.2%、第2四半期が74.9%で、上期は74.6%となり、前年同期の77.3%を下回った。5月に71.2%で底を打ち、9月は76.9%だった。数値は速報値で、確定した決算の数値と異なる場合がある。

1人当たり売上単価は9月までの累計で7.2%上昇した。修正計画は通期で約8%上昇、稼働率75%を前提とする。経営陣は、上昇分の約半分は低単価案件からの撤退、残り半分は既存顧客への値上げによると説明した。コーディングや運用保守など定型的な実行工程が残る案件では、価格下落圧力が続くとみる。通期の利益予想2億円は、保守的な最低ラインと位置づけている。AX立ち上げ費用は織り込む一方、AXの追加受注や稼働増は見込んでいない。

修正後の中間期予想は営業赤字が4億3000万円で、従来予想は3億2000万円の黒字だった。

人員と配当

メンバーズの従業員は約3000人。全員に汎用的なAIスキルの研修を行い、今期中にAXコンサルタントとAXサービスエンジニア計230人の輩出を目指す。全員が同じ水準に達するわけではないとしている。「現時点で」人員削減は計画していないが、新規採用の規模は引き続き調整する。

2027年4月入社の新卒採用は計画どおり進める。2028年4月入社以降の採用規模はAX領域の人材需要を踏まえて精査し、中途採用はAX専門人材に絞る。メンバーズは今後、社員数ではなく社員1人当たりの付加価値売上高を軸に経営を管理するとしている。

期末配当予想は1株当たり35円で据え置いた。前年より2円多い。修正後の1株当たり利益は11.73円。投資家からは配当性向が約300%になるとの質問が出た。経営陣は、原資の確保に問題はなく、こうした水準が複数期続くとは想定していないと答えた。

社長は、進捗を決算発表のたびに定量的に報告すると述べた。AIによる需要減少は経営陣自身の説明であり、第三者が検証した要因ではない。