東証上場のデジタルサービス会社メンバーズ(2130)は、2026年9月中間期の営業損益が4億3000万円の赤字になる見通しを示した。前回予想は3億2000万円の黒字だった。売上収益は前回予想の125億9000万円から118億円に引き下げ、減額幅は7億9300万円となる。前年同期は114億5000万円だった。上期の売上と付加価値売上高の成長率は微増にとどまり、前回予想を大幅に下回る見通し。
| 項目 | 前回予想 | 修正後予想 |
|---|---|---|
| 売上収益 | ¥12.59bn | ¥11.8bn |
| 営業利益 | ¥320mn | -4億3000万円 |
| 税引前利益 | ¥320mn | -4億円 |
| 親会社の所有者に帰属する利益 | ¥224mn | -3億円 |
| 基本的1株当たり利益 | ¥17.52 | -¥23.47 |
金額を示した2つの要因
修正のお知らせは、未達の要因を二つに分けている。一つ目は外部要因。メンバーズは、中東情勢を含む不安定な世界情勢で一部顧客が投資を削減したと説明する。さらに、生成AIによる代替が進み、要件の明確な運用・保守、コーディング、リサーチ、デザイン制作など定型的な実行工程に特化した人材への需要が想定を上回るペースで減ったという。この要因による上期の売上収益への影響は、計画比で約5億5000万円。AIとの関連は会社自身の説明である。
二つ目は内部要因で、約2億5000万円。メンバーズは低単価・低成長の従来型Web運用案件から撤退しており、失う稼働をDX事業の拡大で埋める計画だった。ただ同社によると、AIの急速な進化で顧客ニーズが変わったため、DXの拡大は計画より遅れた。各事業本部はAIを活用したサービスの開発を急ピッチで進めたが、遅れを取り戻せなかった。第1四半期の稼働率は74.2%と、前年同期から1.9ポイント低下した。このためAIは二つの説明の両方に登場する。5億5000万円の項目では直接の要因として、2億5000万円の項目ではDX拡大が遅れた理由として挙げられている。
メンバーズによると、第1四半期決算の発表時点では、AX(AIトランスフォーメーション)サービスの開発加速で外部要因の影響を取り戻せると見込んでいた。上期にはそうならず、成果が出るのは下半期以降となる見通し。
成長ドライバーの入れ替え
メンバーズは、特定のDXスキルを持つ専門人材を量的に拡大する需要はAIで大幅に縮小した一方、AX人材への需要は非常に大きいとしている。DX現場支援の強みをAXに転換して成長ドライバーを入れ替える計画で、2027年3月期中に全社をAX事業にすることを目指す。
お知らせは、この転換に向けて次の目標を掲げている。
- 2026年7月1日付で新設したAX本部を中心に、今期中にAXサービスを30個以上開発する。
- AX関連の商談を1000件創出する。
- AXコンサルタントとAXエンジニアを計230人輩出する。あわせて3000人規模のAIサービス供給力の構築を目指す。
メンバーズは、従来型の運用業務について、価値ベースや非人月ベースの売上への移行を含め、ビジネスモデルを変える方針。
同社は、稼働ギャップの解消には時間がかかるとし、下半期にかけて段階的に回復するとしている。業績予想は現時点で入手可能な情報と仮定に基づくもので、実際の業績は異なる可能性があるとも説明している。
