象印マホービン(7965)の米子会社は、米連邦最高裁が無効と判断した関税について800万ドルの還付を申請したが、これまでに損益計算書に反映されたのはごく一部にとどまる。炊飯器や魔法瓶を手がける同社は、2026年8月20日までの9カ月間に2億700万円の還付を計上した。より大きな現金の受領は期間終了後だった。通期予想は据え置いた。
申請、計上、受領
Zojirushi America Corporationは2026年6月末までに、合計800万ドル(2026年6月末のレートで約12億9000万円)の還付申請を行った。関税は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて課されたもので、同社の決算短信は最高裁が無効と判断したとしている。
還付手続きの一部は9カ月間のうちに完了した。象印マホービンは2億700万円を売上原価の減額として計上し、売上総利益を押し上げた。さらに800万円を商品及び製品の帳簿価額の減額として処理した。
後発事象に関する別の注記によると、同子会社は第3四半期の期間終了後に600万ドル(2026年6月末のレートで約10億3000万円)を受領した。決算短信は、この受領分の会計処理を示していない。
| 段階 | 金額 | 決算短信での扱い |
|---|---|---|
| 2026年6月末までに申請 | 800万ドル(約12億9000万円) | Zojirushi America Corporationによる還付申請 |
| 2026年8月20日までの9カ月間に完了 | 2億700万円と800万円 | 売上原価から2億700万円を減額、商品及び製品から800万円を減額 |
| 第3四半期の期間終了後に受領 | 600万ドル(約10億3000万円) | 重要な後発事象として開示 |
業績予想を据え置き
象印マホービンは2026年11月20日を期末とする通期の予想を据え置いた。売上高は925億円(1.5%増)、営業利益は66億円(11.2%減)、経常利益は71億円(14.5%減)、純利益は48億円(19.7%減)。為替レートの前提は1ドル=155円のままとした。
同社の説明は両面ある。足元の業績は想定を上回って推移しており、米国の関税還付により一時的に利益が増える。一方で、中東情勢の影響による原材料価格の高騰などを慎重に勘案し、予想を据え置くことにした。決算短信は、原材料価格の上昇圧力を数値では示していない。
9カ月間の業績
9カ月の売上高は699億9000万円で、前年同期比3.4%増。営業利益は5.3%増の58億6000万円、経常利益は3.9%増の63億5000万円。親会社株主に帰属する純利益は2.9%減の40億2000万円だった。法人税等は21億6000万円で、前年同期は18億1000万円だった。
象印マホービンは営業増益の要因として、最上位機種の圧力IH炊飯ジャーを中心とする高付加価値商品の国内販売が好調だったことと、円安による輸入コスト上昇に対する価格転嫁を進めたことを挙げる。これらが、前年の168億6000万円から182億1000万円に増えた販売費及び一般管理費の増加分を吸収した。数値は第3四半期単独ではなく、9カ月累計。
