バーゼル銀行監督委員会は2026年9月28〜29日にインドネシアで開いた会合で2つの基準を承認し、10月、11月、年末にかけて一連の文書を公表する予定を整えた。金融庁は10月6日、同委のプレスリリースの日本語要約と仮訳を掲載した。バーゼル委の決定は日本の法律として自動的に拘束力を持つものではなく、国際基準であり、その実施方法は各国当局が選ぶ。
会合で承認した事項
バーゼル委は、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の2025年末時点の評価結果を承認した。結果は金融安定理事会(FSB)に提出され、FSBは後日、2026年のG-SIBsリストを公表する予定だ。
同委は先の市中協議を踏まえ、ウィンドウ・ドレッシング行動を抑制するためのG-SIB評価枠組みの改定も承認した。バーゼル委は、銀行によるウィンドウ・ドレッシングは同委の基準が意図する目的を損ない、金融市場のオペレーションを混乱させるリスクがあるとしている。改定は2026年10月中に公表される予定だ。
3つ目の承認は、機械可読性の高い第3の柱の開示に関する最終基準で、これも市中協議を踏まえたものだ。バーゼル委によると、現在ほとんどの銀行はPDF形式のみで開示しており、銀行横断的にデータを集計、処理、比較することが困難になっている。最終基準は年末頃に公表される見通しだ。
今後の公表予定
| 項目 | 状況 | 予定時期 |
|---|---|---|
| G-SIB評価のウィンドウ・ドレッシング対策の改定 | 承認 | 今月(2026年10月) |
| G-SIB評価手法の市中協議(欧州銀行同盟域内のエクスポージャー) | 改定案の公表に合意 | 今月(2026年10月) |
| レバレッジ比率の審査報告書(オーストラリア、カナダ、日本、韓国、スイス、英国) | 承認 | 今月(2026年10月) |
| マネー・ローンダリング対策のリスク評価に関するサーベイの結果概要 | 結果概要を公表予定 | 今月(2026年10月) |
| IRRBBに関する第2の柱の追加的ガイダンスの市中協議 | 市中協議の実施に合意 | 来月(2026年11月) |
| 機械可読性の高い第3の柱の最終基準 | 承認 | 年末頃 |
| 暗号資産の健全性基準に関するレビューのアップデート | レビュー実施中 | 年末まで |
| 流動性リスク管理の諸原則の改定に関するアップデート | 検討中 | 今年中 |
バーゼル委はまた、欧州銀行同盟域内の国境を越えたエクスポージャーの取扱いをG-SIB枠組みに組み込むことの是非について意見を求めるため、G-SIB評価手法の改定案を公表することでも合意した。この市中協議文書も今月中に公表される予定だ。
銀行勘定の金利リスクについて、バーゼル委は2016年の基準に関する実証的な評価を行い、銀行によるリスク管理に具体的な改善の余地があることを確認したとしている。銀行と監督当局を対象とする第2の柱の追加的なガイダンスについて市中協議を行うことで合意し、市中協議文書は来月、2026年11月に公表される予定だ。
日本に関わる項目は範囲が限られる。バーゼル委は規制の整合性評価プログラム(RCAP)の下で、オーストラリア、カナダ、日本、韓国、スイス、英国におけるレバレッジ比率の実施状況に関する法域別報告書を承認した。いずれも今月中に公表される予定だ。リリースは審査結果を示していない。
検討段階にある事項
バーゼル委は、銀行の暗号資産エクスポージャーに係る健全性基準の一部の要素について的を絞ったレビューを行っており、年末までにアップデートを提示する方針だ。2008年の健全な流動性リスク管理に関する諸原則についても的を絞った改定を検討しており、アップデートは今年中に提示される予定だ。いずれもレビューであり、採択済みの変更ではない。
バーゼル委はさらに、サイバーリスクと人工知能に焦点を当て、オペレーショナル・リスクの枠組みにある既存の損失事象の種類別区分が十分かどうかをレビューすることでも合意した。19法域を対象とするマネー・ローンダリング対策のリスク評価に関するサーベイの結果概要は、今月中に公表される予定だ。
