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日本の利上げ、円安に効かず
日本は政策金利を約1.25%に引き上げ、長期金利は3.115%を超え30年ぶりの高水準となったが、円はそれでも下落した──片山財務相は、トランプ米大統領が首脳会談で高市首相に為替の問題を直接持ち出したと明らかにしている
マーケット
市場概況
東京株式市場は軟調となり、新発10年物国債利回りはやや低下した。
出典:日経、JPX、日銀、財務省-数値であり論評ではない
主要記事
円安を止められなかった利上げ

トランプ氏、日米首脳会談で円安懸念伝達 財務相が明らかに
片山財務相は9月25日、表向きは金利と直接関係しないように見えて、実際には金利と深く関わる事実を明らかにした。最近の日米首脳会談で、トランプ米大統領が円安への懸念を伝え、高市首相はこれに対し、円安は問題であるとの一般的な認識を示したという。片山氏は、この会談の内容について公の場で語るのは今回が初めてであり、今後もベッセント米財務長官との間で為替をはじめとする問題について緊密なやり取りを続けていくと述べた。
変更点: この発表は、日銀が9月18日の会合で政策金利を約1.0%から約1.25%に引き上げた、3カ月ぶりの利上げから1週間後に行われた。片山氏によれば、植田総裁は会合後の会見で、基調的な物価上昇率を2%近辺で安定させることが今後の焦点になるとし、政策局面の転換を示唆したという。片山氏は金融政策の具体的な内容についてはコメントを避け、その手法を決めるのは日銀自身であると繰り返した。
なぜ重要か: 会見に出席した記者からは、利上げ決定後に円が急落し、長期金利が一時3.115%を超えて30年ぶりの高水準となったとの指摘があった。片山氏はいずれの点も否定しなかったものの、円相場の動きについては言及を避け、9月18日夜に日銀が為替レートチェックを行ったとの報道についても確認しなかった。財務省として金利に影響する多くの要因について可能な対応をしていると述べるにとどめた。
全体像: 片山氏は、為替をめぐるやり取りについて新たな約束ではなく、これまでの経緯を踏まえたものだと位置づけた。7月31日の協調介入は28年ぶりの日米共同介入であり、8月3日には両政府が共同声明を発表している。同氏は、今回の首脳会談でその経緯が再確認されたと述べ、高市首相が会談冒頭、米側代表団に対し日本側の担当者に変更はないと伝えたことを明らかにした。18人中10人の閣僚が交代する内閣改造があったにもかかわらず、ルビオ国務長官、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、ヘグセス国防長官と、その着席順で向き合う日本側の担当者は全員留任したという。
注意点: 片山氏は、トランプ氏が示した懸念の性質について、この一言以上には踏み込まず、首脳会談で具体的な介入手法が話し合われたかどうかについても言及しなかった。同氏が確認したのは、7月31日の介入と8月3日の声明が首脳会談の場で再確認されたという点のみであり、今後の為替をめぐるやり取りはベッセント氏との継続的なチャネルを通じて行うとした。
注目記事
政策・規制動向

日米財務トップ、電話会談で円安懸念を再確認
財務省は「日米財務相会談(2026年9月25日)」と題する文書を公表し、片山財務相と米国のスコット・ベッセント財務長官とのやり取りを、日米首脳会談および円安是正への懸念を示した高市首相の発言と関連付けた。
注意点: Tokyo Briefが確認した資料からは、会談の主題と日付は分かるものの、財務省自身の表題や文脈から読み取れる範囲を超えた具体的な時刻や内容までは判明していない。首脳会談でのやり取りに関する片山氏自身の説明――ベッセント氏と為替をめぐり緊密なやり取りを続ける方針を含む――については、上記のトップ記事で取り上げている。

金融庁、AIエージェント時代へ決済インフラ再構築の議論開始
金融庁は、人間だけでなくAIエージェントが取引を行う経済に向けて決済インフラを見直すことを目的とした、省庁横断の新たなフォーラムの初会合を2026年9月30日に開くと発表した。「AI時代のオンチェーン金融に関するフォーラム」と名付けられたこの会合には金融庁のほか複数の省庁が参加し、2026年7月21日に金融庁が示した成長投資に関する金融戦略で初めて打ち出された取り組みに基づくものだ。
なぜ重要か: 同庁は、日本の決済インフラが24時間稼働できず、商取引データとプログラム的に連携できなければ、海外の決済インフラへの依存が一段と深まりかねないと警告し、それが競争力の低下や経済安全保障上の懸念につながるとしている。
注目点: より難しい規制上の論点については、2つの専門検討会が扱う。1つはステーブルコインの裏付け資産に関するルール、分散型取引所や分散型金融(DeFi)、ウォレット提供事業者のリスク、さまざまな資産のトークン化を扱う。もう1つは、AIの利用が広がる中での市場や金融機関の監督のあり方、検証可能な証明書(verifiable credentials)などの本人確認手段、量子コンピューターが将来的にブロックチェーンの暗号技術を破る可能性のあるリスクを扱う。金融庁は2027年初めまでにフォーラムの検討内容の中間整理をまとめたい考えだ。
日銀7月議事要旨、利上げペースめぐり委員間で分かれる
9月28日に公表された日銀の7月30、31日開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、大半の委員が政策金利を約1.0%で据え置く姿勢を示す一方、1人の委員は直ちに1.25%へ引き上げるべきだと主張し、事務局は年度後半に物価上昇率が3%を超えて加速するとの見通しを示した。
経産省、重要物資の供給支援制度で供給逼迫時のルール厳格化案
経済産業省は、経済安全保障推進法に基づく「供給確保計画」の認定に関する省令の改正案について、2026年9月25日から10月25日までの1カ月間、パブリックコメントを募集している。この制度の認定を受けることで、企業は政府が重要と指定した物資の国内生産を強化するための補助金、ツーステップローン、利子補給を利用できるようになる。
変更点: 改正案は、既存の供給不足対応策を2つに分割する。この選択肢を選ぶ企業は、物資が不足した際の供給先や用途への対応方針を示す新たな項目と、残りの供給不足対応策を示す項目の双方を合わせて記載することになる。企業は、この新たな供給先・用途に関する対応方針を負わない設備投資・研究開発の選択肢を引き続き選ぶこともできる。
注目点: 改正後の認定申請では、開示事項も増える。国内・海外別の生産・販売数量、取引量または取引シェア上位3社の原材料調達先を企業名と調達国とともに明示すること、供給確保に向けた投資の資金調達内訳などが求められる。改正後の様式にはチェック欄も追加され、これに同意する申請者は、サイバー攻撃を受けた場合、またはその疑いがある場合に、経済産業省を通じて内閣官房のサイバーセキュリティ関連の調整窓口へ速やかに報告することを約束することになる。パブリックコメントの受付は2026年10月25日に締め切られるが、改正省令の施行時期については告知されていない。
注目記事
ガバナンスと支配構造

ニデック、トップ人事と大規模減損の検討認める 決定はせずと説明
ニデックは、経営トップ人事の見直しと大規模な減損計上を検討していることを認めたが、いずれも決定した事実はないとした。これに先立ち、ダイヤモンド・オンラインは、同社が既に社長の解任を決定し、1兆円規模の減損に直面していると報じていた。

公取委、マンション改修談合で16億4000万円の課徴金命令
公正取引委員会は、長年にわたり談合を続けてきた関東地方のマンション改修工事業者のネットワークに対し、総額16億4000万円の課徴金納付命令を出すとともに、談合を主導した設計コンサルタント2社に排除措置命令を出した。委員会の集計によると、違反は2つの談合事案にわたり企業単位で57件確認されたが、長谷工コーポレーションの改修子会社を含む複数の業者が両方の事案で違反者として名指しされたため、対象企業は42社にとどまる。9月28日付で、排除措置命令は38社、課徴金納付命令は37社に出された。
変更点: いずれの事案でも、マンション管理組合が業者選定のために雇った設計コンサルタントが、案件ごとに特定の1社と固定的な関係を築き、あらかじめ落札業者を決めたうえで、管理組合の非公開の設計予算をその業者に伝えていた。対抗する業者は、伝えられた価格で応札するか、入札を辞退した。落札した業者は通常、契約額の約5%をコンサルタントに支払っていた。
なぜ重要か: 東証上場の長谷工コーポレーションの改修子会社である長谷工リフォームは、両方の事案で名指しされた。その課徴金は合計3億2940万円で、日本の課徴金減免制度により25%減額されており、全50件の課徴金納付命令と同じ2027年4月30日の納付期限が設定されている。長谷工コーポレーションは、同子会社の会長が9月28日付で退任し、社長は3カ月間、月額報酬の10%を返上すると説明した。親会社は、今期の課徴金を一時的な営業外損失として計上する見込みであり、5月に公表した通期業績予想は変更しないとしている。
パーク24、タイムズカーで660万件のアカウント情報流出
パーク24は、ハッカーがタイムズカーおよびタイムズビジネスサービスの約660万件のアカウントから氏名、住所、運転免許証画像などのデータを閲覧または不正に取得したと明らかにしたが、クレジットカード番号は流出しておらず、パスワードは復元できない形式で保存されていたとしている。
ブラックストーン系、プロジェクトHDを1株2200円で非公開化提案
ブラックストーン・インクまたはその関連会社が運用・助言・運営するファンドが間接的に保有するテクノプロ・ホールディングスが全額出資する受け皿会社、TX1株式会社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)コンサルティングを手がけるプロジェクトホールディングス(東証グロース:9246)の株式を1株2200円で公開買付けする。同社の取締役会は、応募に同意した株主の一人であるCEOを除く他の6人の取締役全員一致で、株主に応募を推奨することを決議した。買付けは2026年9月29日から11月11日まで実施され、下限は355万4400株(発行済株式の62.43%)で、公表前最終取引日である9月25日の終値1110円に対して98.20%のプレミアムとなる。
変更点: 2200円という価格にたどり着くまでには、プロジェクトホールディングスの独立特別委員会による3度の押し返しがあった。テクノプロ・ホールディングスは8月26日に最初に2050円を提示したが、委員会は低すぎると判断した。テクノプロは9月7日に2150円へ引き上げたが再び拒否され、9月15日に2200円を提示し最終提案とした。委員会は9月17日に再度異議を唱えたが、テクノプロ・ホールディングスは9月24日、2200円を維持した。
なぜ重要か: 買収者は、株主の過半数からあらかじめ応募の同意を取り付けた状態で臨んでいる。SBIホールディングス(28.65%)、プロジェクトホールディングスのCEO(15.51%)、DYインベストメント投資事業有限責任組合1号(15.10%)が、合計59.27%の株式について応募契約を結んでいる。
注目点: 公開買付けの結果、TX1の議決権割合が90%以上となった場合は、株式売渡請求の制度を用いて残りの株主から直接株式を買い取ることができる。その水準に届かない場合、TX1は2027年1月中旬に予定される臨時株主総会を経て会社法180条に基づく株式併合を実施し、応じなかった株主の持分を端株にした上で、同じ2200円で買い取る計画だ。いずれの手法でも東証グロース市場からの上場廃止に至るが、公開買付けの成立もスクイーズアウトも現時点ではまだ実現していない。プロジェクトホールディングスの取締役会は、買付けが成立した場合に株主優待ポイント制度を廃止することも別途決議した。
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東北電力、11月から全需要家対象に電気料金引き上げ
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