東証上場で半導体製造に使う貴金属ルツボやスパッタリングターゲット、熱電対を手掛けるフルヤ金属(7826)は、2026年6月期の売上高・利益が過去最高となり、2030年に向けて設定した利益目標を既に上回ったとしている。
連結売上高は74.5%増の1001億円、経常利益は162.7%増の247億円、親会社株主に帰属する当期純利益は147.9%増の160億円だった。自己資本利益率(ROE)は前年の10.4%から22.5%に達し、フルヤ金属によると投下資本利益率(ROIC)は17.3%と前年のほぼ倍になった。
| 指標 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | ¥57.4bn | ¥100.1bn |
| 経常利益 | ¥9.4bn | ¥24.7bn |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | ¥6.5bn | ¥16.0bn |
| ROE | 10.4% | 22.5% |
| ROIC | 7.4% | 17.3% |
フルヤ金属は、半導体・データセンター向け需要の増加、貴金属相場の高水準、円安をこの増益の要因としている。2025年8月に策定した中期経営計画「KFKビジョン2030」では、2030年6月期の経常利益200億円、ROE10%以上を目標としていたが、計画初年度でいずれも達成した。同社は、開示が可能になった時点で2030年の目標数値を見直すとしているが、具体的な数値や時期は明らかにしていない。
生産体制については、フルヤ金属は2026年7月に北海道千歳市の新千歳工場を竣工した。同工場の建設費20億円を含め、当年度の設備投資は38億円だった。同工場は2027年に本格稼働する予定で、その際に半導体製造向けの新規石英部材を事業化する計画だ。また、EUVマスクブランクスに使われるルテニウムスパッタリングターゲットについて、装置・デバイスメーカーと密接に連携しながら生産・開発体制の拡充を進めており、同材料の量産需要は2030年頃に生まれると見込んでいる。
2026年6月期の増益は、半導体の実需に加え貴金属相場や円安にも支えられたものであり、フルヤ金属は要因ごとの寄与度を明らかにしていない。
