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フルヤ金属、利益2倍超で2030年目標を前倒し達成

フルヤ金属の2026年6月期の経常利益は、半導体・データセンター需要や貴金属相場の高騰、円安を背景に247億円と2倍以上に増えた。同社は2030年の利益目標を見直すとしているが、具体的な数値はまだ示していない。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月28日2分で読めるフルヤ金属7826
工場の作業台に置かれたスパッタリングターゲットの円盤と小型金属ルツボ、隣には半導体ウエハーカセット

東証上場で半導体製造に使う貴金属ルツボやスパッタリングターゲット、熱電対を手掛けるフルヤ金属(7826)は、2026年6月期の売上高・利益が過去最高となり、2030年に向けて設定した利益目標を既に上回ったとしている。

連結売上高は74.5%増の1001億円、経常利益は162.7%増の247億円、親会社株主に帰属する当期純利益は147.9%増の160億円だった。自己資本利益率(ROE)は前年の10.4%から22.5%に達し、フルヤ金属によると投下資本利益率(ROIC)は17.3%と前年のほぼ倍になった。

フルヤ金属:2026年6月期と前年の比較
フルヤ金属の有価証券報告書に基づく数値。前年のROICは同社の投資家向け説明資料による。
指標2025年6月期2026年6月期
売上高¥57.4bn¥100.1bn
経常利益¥9.4bn¥24.7bn
親会社株主に帰属する当期純利益¥6.5bn¥16.0bn
ROE10.4%22.5%
ROIC7.4%17.3%

フルヤ金属は、半導体・データセンター向け需要の増加、貴金属相場の高水準、円安をこの増益の要因としている。2025年8月に策定した中期経営計画「KFKビジョン2030」では、2030年6月期の経常利益200億円、ROE10%以上を目標としていたが、計画初年度でいずれも達成した。同社は、開示が可能になった時点で2030年の目標数値を見直すとしているが、具体的な数値や時期は明らかにしていない。

生産体制については、フルヤ金属は2026年7月に北海道千歳市の新千歳工場を竣工した。同工場の建設費20億円を含め、当年度の設備投資は38億円だった。同工場は2027年に本格稼働する予定で、その際に半導体製造向けの新規石英部材を事業化する計画だ。また、EUVマスクブランクスに使われるルテニウムスパッタリングターゲットについて、装置・デバイスメーカーと密接に連携しながら生産・開発体制の拡充を進めており、同材料の量産需要は2030年頃に生まれると見込んでいる。

2026年6月期の増益は、半導体の実需に加え貴金属相場や円安にも支えられたものであり、フルヤ金属は要因ごとの寄与度を明らかにしていない。