東証上場の切削工具・計測機器商社NaITO(7624)は、中国の鉱物政策転換が2026年8月末までの中間期業績を左右したとしている。切削工具の主要原材料であるタングステンは、中国が戦略鉱物の輸出管理を強化したことを受けて価格が高騰し供給不安を招いたといい、同社はこの組み合わせが業績に直接波及したと説明する。連結売上高は18.1%増の256億円、営業利益は296.5%増の8億2100万円、親会社株主に帰属する中間純利益は293.4%増の5億9000万円となり、前年同期の1億5000万円から大きく増加した。
伸びは一様ではなかった。タングステンコストの影響を最も受ける切削工具は伸びが最も大きく、売上高は29.3%増の140億円となった。計測機器の売上高は25.8%増の24億円だった。原材料高の影響がより間接的な産業機器・工作機械は2.9%増の92億円にとどまった。
同社が説明する急伸の背景は2点ある。第一に、主力切削工具メーカーがタングステンコストの上昇を受けて価格改定を行ったこと。第二に、顧客が先行きの供給逼迫を見越して需要を前倒ししたことだ。これは同社によるメカニズムの説明であり、こうした因果関係が独立に検証されたわけではないが、利益が売上高を大きく上回るペースで伸びた今期の実態とは整合的だ。
同社は同日、2027年2月期の通期業績予想を3月に公表した予想から上方修正した。
| 項目 | 2026年3月予想 | 2026年9月予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥45.0bn | ¥48.0bn | +6.7% |
| 営業利益 | ¥400mn | ¥1.25bn | +212.5% |
| 経常利益 | ¥430mn | ¥1.3bn | +202.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | ¥270mn | ¥900mn | +233.3% |
| 1株当たり当期純利益 | ¥4.93 | ¥16.44 | - |
3月時点の予想と比較すると、通期売上高予想は6.7%増の480億円、営業利益予想は212.5%増の12億5000万円、親会社株主に帰属する当期純利益予想は233.3%増の9億円に上方修正され、1株当たり当期純利益予想は従来の4円93銭から16円44銭に見直された。2026年2月期実績(純利益2億8400万円)と比べると、新予想は利益の一段の急拡大を示している。
期末配当予想は1株当たり4円で据え置いた。決算説明会は開催せず、決算補足説明資料も作成していない。同社自身の説明にある通り、タングステン逼迫を見越して前倒しされた需要は後の四半期に反動として現れる可能性があり、今回の上方修正の大きさは、同社が異例だとする今のタングステン価格や受注動向に左右される不確実性を残す。
