半導体向け研磨材メーカーのフジミインコーポレーテッド(5384)は、AI需要が牽引する半導体需要の拡大を見込む6カ年計画の数値目標をまとめた。中長期経営計画2026は、今年度の2027年3月期から2032年3月期までが対象。計画には累計1300億円の設備投資を盛り込み、最終年度に売上高1380億円を目指す。
目標
グループ売上高の計画は、初年度が825億円、2029年3月期が1040億円、2032年3月期が1380億円。営業利益率の目標は初年度が20.9%、3年目が20%、6年目が21%。EBITDAマージンの目標は26.0%から29%、さらに31%へ上昇する。自己資本利益率(ROE)の目標は14.3%から3年目に14%へ低下した後、6年目に17%へ上昇する。
中長期経営計画2023は2029年3月期の売上高目標を950億円としており、新計画は同期の売上高目標を1040億円に引き上げた。同期のEBITDAマージン目標も27%から29%に引き上げ、ROE目標は15%から14%に引き下げた。
計画の柱はCMP(化学機械平坦化)向けの売上高で、目標は初年度が461億円、3年目が615億円、6年目が858億円。シリコン向けは238億円、276億円、318億円を計画する。ディスク向けの売上高は26億円から21億円へ減る計画。最終年度にはM&Aによる40億円も盛り込む。
| 目標 | 2027年3月期 | 2029年3月期 | 2032年3月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 825億円 | 1040億円 | 1380億円 |
| CMP売上高 | 461億円 | 615億円 | 858億円 |
| 営業利益率 | 20.9% | 20% | 21% |
| EBITDAマージン | 26.0% | 29% | 31% |
| ROE | 14.3% | 14% | 17% |
資金の使い道
設備投資は初年度が190億円、2029年3月期までの3年間で累計850億円、2032年3月期までの3年間で450億円を計画する。同社は、生産が高い稼働率で続いており、顧客の需要に応えるには生産能力の増強が不可欠だとしている。設備投資は、足元の需要への対応にとどまらず、供給と技術競争力を確保するための戦略的投資と位置づけている。
主な計画は、2026年2月に竣工した岐阜県の既存工場の拡張。取得済みの隣接地に新工場を建設するほか、台湾にも新工場を建設する。台湾は、子会社の第2工場の用地を選定中。これらの生産能力増強について、最終投資決定には至っていないと同社は明記している。新研究所は2026年末の竣工予定で、計画にはM&A投資も含まれる。
投資と株主還元
フジミインコーポレーテッドは連結配当性向55%以上を目標とし、2029年3月期まで、配当を維持または増額する累進配当を適用する。2030年3月期以降は、半導体需要に応える供給のためさらなる投資が必要だとして、持続的成長と株主還元をどう両立させるかを検討するとしている。
同社は、計画の定性面を含む詳細を11月に公表するとしている。それまでの数字はあくまで目標で、設備投資は計画段階にとどまり、売上高もまだ獲得したわけではない。
