東証上場のAI・クラウドサービス会社FIXER(5129)は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在し、重要な不確実性が残っていると投資家に開示した。2026年8月期の決算短信に記載した。Tokyo Briefの過去記事
疑義の背景にある数字
売上高は31億2200万円で21.6%減、営業損失は23億1600万円、親会社株主に帰属する純損失は23億200万円だった。前期の純損失は21億1700万円。営業キャッシュフローは今期もマイナスで、22億3900万円の支出超過となり、現金及び現金同等物は30億8500万円から12億200万円に減った。
FIXERは要因として、オンプレミス型生成AI製品Sovereign GaiXerの販売の立ち上がりが想定より遅れたことと、医療AIサービスの販売が遅れたことを挙げる。また、クラウド版GaiXerサービスとプロジェクト業務の売上に合わせた人員・組織の縮小が進まず、固定費が高止まりしたとも説明している。
示された対応策
同社は4つの対応策を挙げる。固定費の削減、経営資源のSovereign GaiXerへの重点配分、予算と資金繰り管理の徹底、銀行などとの借入などの資金調達に向けた協議だ。売上原価と販売費及び一般管理費の合計を約54億3800万円から約38億9100万円へ、約15億4700万円、率にして28%削減する計画。拠点の削減では、2026年7月末に四日市の一部フロアの賃貸借契約を終了し、2027年3月に名古屋の賃貸借契約を終了するとともに、同月に東京本社の賃借区画の半分を手放す。
同社は、これらの対応策は実施途上だとしている。人員や拠点の費用削減が計画通りに進まない可能性があり、Sovereign GaiXerの受注の時期や規模には不確実性があり、資金調達の時期や条件も定まっていない。2027年の業績予想は、売上高33億8100万円に対し営業損失5億1000万円のままだ。
FIXERは9月30日、残っていた新株予約権をすべて消却し、276万2000株分の潜在的な希薄化要因をなくした。未調達の16億2500万円を一度にすべて調達する必要はないと判断したためという。決算短信は公認会計士または監査法人の監査の対象外。
