ワールド(3612)とTSIホールディングス(3608)は、新設の上場親会社インフィニティ・ユナイテッドの下で経営統合することで合意した。共同株式移転は2027年3月1日を予定する。ワールド株1株にはインフィニティ・ユナイテッド株1株、TSIホールディングス株1株には同0.8株が割り当てられる。両社の取締役会は2026年10月14日、経営統合契約と株式移転計画を承認し、各社は同日に臨時報告書を提出した。
統合の条件
ワールドとTSIホールディングスはインフィニティ・ユナイテッドの完全子会社となる。発行予定の普通株式は1億2185万8487株。2026年8月31日時点の発行済み株式数(ワールド7713万9828株、TSIホールディングス6343万8793株)に基づき、それぞれ自己株式85万7631株、646万8430株を除いて算出した。完了前に実際に消却される自己株式数が確定していないため、株数は変わりうる。
規模は会計基準によって異なる。ワールドは2026年2月期の売上収益をIFRSで2840億円、TSIホールディングスは売上高を日本基準で1671億円と報告した。TSIホールディングスが同日提出した半期報告書は、統合を後発事象として記載し、8月までの6カ月間の売上高を889億円としている。
両社は単元株式数を100株とする計画。ワールド株100株以上、またはTSIホールディングス株125株以上を持つ株主には1単元が割り当てられる。それに満たない保有分は取引所で売却できないが、株主はインフィニティ・ユナイテッドに買い取りを請求できる。
| 算定手法 | 野村證券(ワールド側) | みずほ証券(TSIホールディングス側) |
|---|---|---|
| 市場株価法 | 0.77〜0.78 | 0.77〜0.78 |
| 類似企業比較法 | 0.66〜1.56 | 0.41〜1.31 |
| DCF法 | 0.72〜1.19 | 0.35〜1.28 |
ワールドは野村證券、TSIホールディングスはみずほ証券を、それぞれ独立した算定機関に起用した。両社とも市場株価法、類似企業比較法、割引キャッシュフロー(DCF)法を用いた。合意した0.8は市場株価法の0.77〜0.78のレンジをやや上回り、他の2手法の算定レンジははるかに広い。どちらのDCF法の算定にも、シナジー効果は含まれていない。両社の算定とも、TSIホールディングスの営業利益が2027年2月期と2028年2月期に、構造改革と最近の買収によって大幅に増えると想定している。ワールドの計画には大きな変動はない。
両アドバイザーの報酬には、統合完了時に支払う成功報酬が含まれる。両社は独立性を損なわないとしている。みずほ証券と同じグループのみずほ銀行は両社に融資しており、みずほ証券は算定をその融資から独立して行っているとしている。
承認と日程
計画は、両社の株主総会の承認と関係当局の承認を前提とする。いずれかの総会で否決された場合、2027年3月1日までに承認が得られない場合、または両社が中止で合意した場合は失効する。完了に重大な支障となる事象が生じた場合、両社は条件を変更したり、統合を中止したりすることもできる。ワールドの取締役会は、12月24日の総会に定款変更案も付議した。変更は、株式移転計画が承認されて有効であり、株式移転が中止されていないことを条件に2027年2月28日に発効する。定時株主総会の基準日の規定を廃止するもので、ワールドは、株主が1社になれば不要になるとしている。
| 手続き | 日付 | 状況 |
|---|---|---|
| 臨時株主総会の基準日公告 | 2026年10月16日 | 予定 |
| 臨時株主総会の基準日 | 2026年10月31日 | 予定 |
| 臨時株主総会(ワールド、TSIホールディングス) | 2026年12月24日 | 予定 |
| ワールド、TSIホールディングスの上場廃止 | 2027年2月25日 | 予定 |
| インフィニティ・ユナイテッドの設立登記、東証プライム上場 | 2027年3月1日 | 予定 |
計画は、完了前に基準日が到来する配当の上限を、ワールドが1株36円、TSIホールディングスが70円と定めている。
経営体制
インフィニティ・ユナイテッドは本店を東京都港区に置き、資本金は50億円の予定。監査等委員会設置会社とする。TSIホールディングスの最高経営責任者が代表取締役会長に、ワールドの社長が代表取締役社長に就く。社外取締役は7人が示されており、取締役会議長はワールドの現社外取締役が務める。完了後はTSI、ワールド・ブランズ、ワールド・ソリューションズの3中間持株会社を置く計画で、ワールド・ブランズはワールドに社名変更する可能性がある。
開示資料はシナジー効果の金額を示していない。パーチェス法による会計処理を見込み、のれんまたは負ののれんが生じるが、金額は未定としている。新親会社の純資産額と総資産額も未確定とした。Tokyo Briefの過去の関連記事
