ワールド(3612)の2026年8月までの6カ月間の親会社の所有者に帰属する利益は4.2%増の58億8000万円だった。ただ、増益は中核のアパレル事業よりも、税負担の軽減と非支配持分への利益流出の解消による面が大きい。売上収益は1424億9000万円で4.1%増。営業利益は84億1000万円で1.2%増、同社が独自に用いる指標の事業利益は0.3%増の83億6000万円だった。半期報告書で明らかになった。
アパレルブランドは夏物が不振
報告書はアパレルブランドを課題と位置づけている。MD改革の効果は全ブランドには及んでおらず、6月を中心とした夏物販売の不振が、プロパー販売の強化とコスト構造改革の効果を打ち消した。成長を支えたのは別の分野で、サーキュラー(中古品)事業と、新たに連結に加わった2社だ。うち1社は、ワールドが2026年3月1日に阪急阪神グループの企業から取得した、化粧品と家庭用品の小売会社。ワールドは100%の取得に現金1億7500万円を支払い、暫定的な負ののれん発生益1億8100万円を計上した。同社は、この会社が取得後に売上収益22億3000万円、利益1億9000万円をもたらしたとしている。
それでも増益となった理由
財務及び法人所得税前利益は10.6%減の84億円だった。前年同期に、当時は持分法適用会社だった小売会社のコールオプションの評価益を一時的に計上していたためだ。それでも親会社の所有者に帰属する利益が増えたのは、ワールドが子会社2社を完全子会社化し、非支配持分への利益流出が止まったことに加え、法人所得税が26億7000万円から13億7000万円に減ったためだ。法人所得税の減少には、グループ内の組織再編に伴う税効果会計の適用も寄与した。1株当たり利益は、加重平均株式数が6820万株から7620万株に増えたことから、82円74銭から77円11銭に低下した。
報告区分の見直し後のセグメント
ワールドはブランド、デジタル、プラットフォームの3セグメントをB2CとB2Bに改め、新しい損益計算書の基準であるIFRS第18号を早期適用した。中期経営計画VISION-Wの初年度でもある。
| セグメント | 売上収益 | 売上収益の増減 | 事業利益 | 利益の増減 |
|---|---|---|---|---|
| B2C | 1084億円 | +8.2% | 45億6000万円 | +0.1% |
| B2B | 498億円 | +3.3% | 30億9000万円 | +12.3% |
| 共通部門 | 72億8000万円 | -1.6% | 6億3700万円 | -39.4% |
共通部門の利益は39.4%減った。報告書は、神戸本社ビルのリースバックや株主優待の拡充に伴う費用、人材や新規事業への先行投資を挙げている。
レバレッジと配当
ネットD/Eレシオは1.18倍から1.06倍に改善したが、中期経営計画の上限である0.75倍をなお上回る。ROIC(投下資本利益率)は7.2%で、目標の8.5%以上に届かなかった。ROE(自己資本利益率)は13.3%で、下限の12.5%を上回った。営業キャッシュフローは166億円。借入金のうち流動負債は2月末の378億円から8月末に773億円となり、非流動負債は440億円から1億5500万円に減った。取締役会は1株当たり31円、総額23億7000万円の中間配当を決議し、支払日は2026年11月5日。
ワールドの社長と最高財務責任者は、別途提出した確認書で、半期報告書の記載内容が金融商品取引法令に基づき適正に記載されていることを確認し、特記事項はないとした。
