東宝(9602)は2027年2月期の親会社株主に帰属する当期純利益予想を410億円から480億円(17.1%増)に引き上げた。理由は投資有価証券の一部売却の1点のみとしている。営業収入(3450億円)、営業利益(620億円)、経常利益(670億円)は、4月14日に公表した予想から据え置いた。
| 項目 | 前回予想 | 修正予想 |
|---|---|---|
| 営業収入 | 3450億円 | 3450億円 |
| 営業利益 | 620億円 | 620億円 |
| 経常利益 | 670億円 | 670億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 410億円 | 480億円 |
| 1株当たり当期純利益 | ¥48.85 | ¥57.62 |
修正の根拠
取締役会の通知は、今回の変更を今期第3四半期の投資有価証券の一部売却に結び付けているが、売却益の額は示していない。同日提出の半期報告書がこれを補っている。それによると、取締役会は2026年9月15日、政策保有株式の縮減方針に基づき保有する上場株式の一部を売却すると決議し、売却益は111億円となる。通知は、この売却益と予想の70億円の引き上げとの関係を説明していない。詳しくはTokyo Briefの過去記事を参照。
1株当たり当期純利益の予想は48円85銭から57円62銭に上昇する。いずれの数値も、2026年3月1日付の1株を5株とする株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して算定している。
営業面の見通しは変わらず
上期は、通期の純利益予想の新たな数字から受ける印象より弱かった。8月31日までの6カ月間は、営業収入が1852億円で3.4%減、営業利益が309億円で24.8%減、純利益が200億円で40.2%減だった。前年の上期には89億円の投資有価証券売却益があったが、今期の上期にはない。
東宝の決算説明資料によると、上期は概ね計画通りだった。下期の大型作品の初動を見極めているため、ほかの予想項目は据え置いたとしている。映画『ゴジラ-0.0』は11月3日に国内で公開予定。
引き上げ後も、純利益予想の480億円は前期を7.3%下回り、営業利益予想の620億円は前期を8.7%下回る。今回の上方修正は投資有価証券の一時的な売却によるもので、映画、アニメ、不動産の各事業の見通しが強まったためではない。
配当は引き続き検討
通知によると、東宝は株主還元方針(年間17円を下限に配当性向35%以上)に基づき、期末配当を引き続き検討する。増配の発表はない。取締役会は中間配当を1株当たり11円00銭と決めており、支払開始は11月20日。
東宝は決算説明資料で、2030年2月期末までに政策保有株式の簿価を500億円超削減する方針を示している。売却資金は成長投資に優先的に充てるとともに、株主還元の原資としても使う。
