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高島屋、2031年度の配当性向目標を50%・DOEを5%に引き上げ

高島屋は2031年度の目標を配当性向50%以上、DOE5%以上と従来の30%、2.5%から引き上げ、ROE10%以上も掲げた。自社株買いを含む還元方針は次期中期経営計画で示す。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月19日3分で読める高島屋8233
株主還元目標の引き上げを表す、百貨店の売り場の横に積み上げられた硬貨と棒グラフのイラスト。

高島屋(8233)は中長期的な株主還元目標を当初計画から大幅に引き上げた。10月15日に開催した中間期決算説明会の質疑応答要旨によると、百貨店大手の同社は2031年度の目標として配当性向50%以上、株主資本配当率(DOE)5%以上を掲げた。当初計画はそれぞれ30%と2.5%だった。

これらは目標であり、実際の配当額ではない。同要旨には2031年度の1株当たり配当金の記載はなく、質問者が言及した本年度の増配についても具体的な内訳は記されていない。これまでの決算報道については、Tokyo Briefの過去の記事を参照。

ROE目標とキャッシュ創出力

経営陣は2031年度の自己資本当期純利益率(ROE)目標として10%以上も掲げた。これが自己株式取得を含む総還元性向の目標提示を示唆するものか問われると、同社は、ROE目標はキャッシュ創出力を高め、目標数値を意識しながら成長投資と株主還元へ配分していくというメッセージだと説明した。

同社によると、現中期経営計画が最終年度を迎えるなか、持続的にどの程度のキャッシュを創出できるか慎重に見極めてきた。次年度から始まる新たな中期経営計画で資本政策の全体像を示すことも検討したが、業績予想の上方修正によりキャッシュ創出力への確度が高まったため、現時点で示せる内容を先行して開示したという。

自社株買い方針は次期中計へ持ち越し

高島屋は以前、転換社債型新株予約権付社債(CB)による1株当たり利益の希薄化懸念を和らげるため、総還元性向70%を掲げていた。その後、同CBの買入消却を実施したことで、この目標をいったん取り下げた。将来的には引き続き70%程度を意識しており、自己株式取得を含む具体的な方針は次期中期経営計画の中で示すとしている。

利益目標と海外成長

同社はまた、営業利益に持分法投資利益やベトナム事業などの受取配当金を加算した「事業利益」の2031年度目標を引き上げた。新たな目標は800億〜850億円で、従来の750億〜800億円から上方修正した。経営陣は、約50億円の引き上げ要因として、グループの連携強化(シームレス化)による30億円以上の純増効果に加え、金融事業やベトナムを中心とした海外事業の利益成長を挙げた。

次期中期経営計画については、これまでの投資成果を刈り取るフェーズになるとの見方に変更はないとした。ベトナム事業が利益貢献を始め、金融事業も利益に結びつき始めているが、ベトナム事業で見込んでいた効果の一部は外部環境の影響により、次期計画にかけて段階的に表れる見通しだという。

国内のコスト圧力

国内百貨店業では、従前「物価高」としていた要素の呼称を改めた「調達コスト」の増加を吸収している。同社によると、光熱費や外部委託費を中心に調達コストが上昇し、通期の販売管理費を4月計画から7億円押し上げる要因となった。通期のコスト削減計画は全体で43億円と、4月計画の45億円から修正されている。