本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

大成建設、11月7日から120日間の営業停止 民間土木工事が対象

大成建設に対する11月7日から3月6日までの120日間の営業停止処分は、全国の民間土木工事のみが対象となる。同社は公正取引委員会の排除措置命令に対する最高裁への上告等を取り下げることも決めた。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月23日2分で読める大成建設1801
鋼製支保工とクレーンがある鉄道駅の掘削工事現場のイラスト。作業中断を示唆する帯で分断されている。

大成建設(1801)は120日間の営業停止処分を受けたが、対象範囲は「営業停止」という言葉から連想されるよりも限定的だ。国土交通省関東地方整備局が2026年10月23日、建設業法第28条第3項に基づき命じたもので、対象は全国の土木工事業のうち民間工事に関する営業に限られる。

営業停止の対象と期間

営業停止期間は2026年11月7日から2027年3月6日まで。大成建設の開示資料は、対象範囲を「全国における土木工事業に関する営業のうち、民間工事に係るもの」と定めている。建築工事や公共土木工事に処分が及ぶとの記載はない。また、既存契約の扱いや今回の処分に伴う業績への影響額についても触れられていない。

処分の背景にある事件

今回の処分は、リニア中央新幹線の品川駅および名古屋駅における地下開削工法によるターミナル駅新設工事をめぐり、大成建設が独占禁止法違反の容疑で起訴された事件を受けたものだ。2026年9月14日に最高裁判所が同社の上告を棄却し、有罪判決が確定した。裁判所の判断自体についてはTokyo Briefの過去の記事を参照。

別件の上告等も取り下げ

大成建設はまた、同じ事件に関連して公正取引委員会から受けた排除措置命令の取り消しを求め、2025年5月27日に公表していた最高裁への上告および上告受理申立てを取り下げることも決定したと明らかにした。開示資料には決定の理由は記されていない。

挙げられたコンプライアンス対策

大成建設は株主や関係者に謝罪し、今回の処分を厳粛に受け止めていると表明した上で、2018年以降に実施してきた対策として以下を挙げた。

  • 同業他社との会合に際しては、専用システムによる事前届出と参加後の報告を役職員に義務付けており、この手続きを経ない会合への参加は原則禁止としている。
  • 営業部門の役職員と同業他社との間で送受信されるメールを監視している。送信メールは直属の上司に自動配信され、受信メールは総務部が定期的に確認する。こうした連絡に会社指定外のメールアドレスを使用することは禁じられている。
  • 従来は官庁工事と補助金付き民間工事で求めていた入札業務の適正確認シートについて、鉄道事業者などが発注する工事も対象に加えた。
  • 大成建設は、同業他社との接触で独占禁止法違反に関与した、あるいはそのおそれがある場合に、役職員が自主的に申告・相談できる窓口を社内外に設置している。
  • 全役職員がeラーニングを受講するほか、営業部門と受注関連の技術部門の役職員は社外有識者による研修を受けている。

同社は今後もこれらの取り組みを厳格に運用し、コンプライアンス体制の実効性向上に努めるとしている。