ローツェ(6323)の2026年8月31日までの6カ月間の営業利益は42.4%増の231億円、売上高は21.5%増の797億円だった。半期報告書で明らかになった。ウエハー搬送装置メーカーの同社は、帳簿に引当金を計上していた米国での特許訴訟も決着させた。報告書は和解にかかった現金負担と利益への影響を分けて示している。(Tokyo Briefのこれまでの関連記事)
売上高と利益
親会社株主に帰属する中間純利益は158億3900万円で、45.7%増だった。経常利益は68.4%増の245億3800万円で、同社は為替の影響も受けたとしている。損益計算書では為替差益15億8900万円を計上し、前年同期は為替差損23億6800万円だった。
半導体・FPD関連装置事業が売上高のほぼ全てを占め、793億5700万円と21.6%増だった。セグメント利益は239億6900万円で43.0%増。小規模なライフサイエンス事業の売上高は3億7600万円、セグメント損失は1億4700万円だった。
ローツェは好調の要因を業界に求めている。報告書は、世界の半導体産業が好調で、データセンター市場が急成長し、半導体メーカーが製造設備に積極的に投資したとしている。生成AI関連や半導体関連の需要は拡大が続くと見込む。これらは同社自身の説明だ。顧客の所在地別では、米国向けのセグメント売上高は238億8800万円で、前年同期は154億6300万円だった。
和解:現金支出に対し、損失計上は小さい
ローツェと米国子会社Rorze Automation, Inc.は2022年8月30日、原告の米国特許権を侵害したとして米国で提訴された。2026年3月13日に陪審評決が出て、2026年8月3日に和解契約を締結した。
キャッシュ・フロー計算書には和解金の支払額95億8700万円が計上され、営業キャッシュ・フローが前年同期の128億6800万円から87億3000万円に減った主因の1つとなった。利益への影響はこれより小さい。ローツェは2026年2月期決算で訴訟損失引当金を計上しており、その引当金は74億2900万円となった後、貸借対照表から消えた。特別損失の21億5800万円は引当金と支払額の差額で、2つの数字は同じ和解を表すため合算してはならない。
和解条件は契約上、秘密とされ、報告書は原告の名称を明らかにしていない。ローツェは、訴訟は最終的に解決し、今後の事業活動に影響はないとしている。
中国の生産能力
報告書は期間終了後の出来事も記載している。ローツェの取締役会は2026年8月24日、上海を拠点とする子会社RORZE CREATECH CO., LTD.に孫会社を設立させることを決議した。Rorze Createch Precision Technologyは2026年9月1日に資本金2000万人民元(約4億7600万円)で設立された。ウエハー自動搬送装置の生産、開発、販売を手がける。
ローツェは中国での半導体装置需要の拡大を挙げ、上海のもう1つの子会社RORZE CREATECH SEMICONDUCTOR EQUIPMENT CO., LTD.の生産能力増強が急務だとしている。新会社の事業活動は来春からの予定で、報告書は当期の連結業績への影響は軽微としている。設立は生産の開始を意味しない。
