ファナック(6954)は10月23日、通期業績予想を上方修正した。4〜9月期の売上高が16.2%増の4737億円、営業利益が35.7%増の1167億円となったことを踏まえた。親会社株主に帰属する中間純利益は41.0%増の1126億円だった。
2027年3月期通期は売上高1兆100億円、営業利益2407億円、純利益2283億円を見込む。7月31日公表の予想と比べ、それぞれ6.9%、10.4%、15.3%の上方修正となる。決算説明会資料によると、売上高は過去最高だった前年度を上回り、1兆円を超える見込みだ。
| 項目 | 7月31日予想 | 今回予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 9481億円 | 1兆100億円 | +6.9% |
| 営業利益 | 2180億円 | 2407億円 | +10.4% |
| 純利益 | 1980億円 | 2283億円 | +15.3% |
需要のけん引役
決算説明会資料によると、ファクトリーオートメーション(FA)需要は中国市場を中心に好調だった。同国ではAIデータセンター、半導体関連、人型ロボットの部品加工、新エネルギー車(NEV)が市場をけん引した。日本、韓国、台湾でもAIデータセンター、半導体、航空宇宙関連の需要が追い風となった。上期の部門別売上高は、FA(CNCシステム)が前年同期比15.4%増の1199億円、ロボットが12.6%増の1943億円、ロボマシン(工作機械)が31.2%増の833億円、サービスが12.7%増の762億円だった。
受注はさらに力強かった。7〜9月期の受注高は前年同期比49.0%増となり、なかでもFA部門は130.1%増と急伸した。上期の営業利益率は24.6%と、前年同期から3.5ポイント上昇した。
一方、中国市場は全面的に好調というわけではない。四半期データでは7〜9月期の中国ロボット売上高が前年同期比14.3%減となっており、決算短信によると、同国では一般産業向けが好調だった一方、自動車産業向けが停滞した。また、通期予想の10〜3月期の想定為替レートは平均で1ドル=150円、1ユーロ=175円とした。上期実績の平均はそれぞれ159円37銭、184円35銭だった。
配当と自己株買い
取締役会は中間配当を1株当たり72円54銭(前年同期は51円33銭)とすることを決議した。配当金総額は671億円(同479億円)で、基準日は9月30日、支払開始日は12月1日。2026年4月の決算発表で示した連結配当性向60%の基本方針に基づくとしている。決算短信では期末配当予想を未定とし、公表が可能になった時点で速やかに開示するとしている。
これとは別に、取締役会は自己株式を除く発行済株式総数の1.08%にあたる1000万株、500億円を上限とする市場買付を決議した。取得期間は2026年10月26日から2027年4月30日まで。経営環境の変化に対応し、資本政策の柔軟性を確保するためとしている。これらの数値は上限であり、実際の取得実績ではない。9月30日時点の保有自己株式数は5735万8897株だった。
キャッシュ・フロー計算書によると、上期の自己株式取得による支出は500億円(前年同期は6億6500万円)だった。過去のTokyo Briefの記事も参照できる。なお、中間決算短信は公認会計士または監査法人のレビューの対象外である。
