ディスコ(6146)の2026年4〜9月期の業績は、営業利益が47.9%増の1166億円、営業利益率は45.4%となった。同日、これまで未開示だった4〜12月期の業績予想も公表した。4〜9月期の売上高は32.1%増の2571億円、出荷額は37.2%増の2846億円に達した。同社は好調の要因を生成AIの需要によるものとしており、今回の業績予想の開示により、今後の達成度を測る期限付きの数値が示された形だ。
出荷額が計上済みの売上高を上回る
ディスコによると、データセンター向け投資の継続を背景に、先端ロジックや高帯域幅メモリー(HBM)など高性能半導体向けの需要が高水準で推移した。精密加工装置の出荷は高付加価値製品を中心に好調で、消耗品である精密加工ツールの出荷も顧客の設備稼働率に連動して高水準を維持した。これらは同社自身の説明によるものだ。
出荷額と売上高は異なる指標だ。ディスコによると、機械装置の検収が進捗したことで売上高が増加したものの、出荷額の伸び率(37.2%増)が売上高の伸び率(32.1%増)を上回った。貸借対照表上の契約負債は3月末の500億円から9月末には796億円へ増加しており、同社はこの増加を1117億円の営業キャッシュ・フロー収入の主な要因の一つに挙げている。
利益率と為替損益
ディスコは、為替の影響と高付加価値製品の構成比上昇により売上総利益率(GP率)が改善し、人件費や研究開発費の増加を吸収したと説明している。経常利益は44.0%増の1144億円、親会社株主に帰属する中間純利益は43.7%増の804億円、売上高純利益率は31.3%となった。損益計算書では営業外損益として、前年同期の2100万円の為替差益に対し、当期は31億円の為替差損を計上しており、これが経常利益の伸びが営業利益の伸びを下回った要因となった。
短期間に限定した業績予想
新たに開示された業績予想は2026年4〜12月期のみを対象としている。ディスコは4〜12月期(9カ月間)の連結売上高を3895億円(前年同期比28.2%増)、営業利益を1747億円(同38.4%増)、純利益を1219億円(同31.6%増)、1株当たり純利益を1123円43銭と見込む。同期間の出荷額は4342億円と予想し、10〜12月期の想定為替レートは1ドル=151円としている。
| 項目 | 2026年4〜9月期 | 増減率 | 4〜12月期予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 出荷額 | 2846億円 | +37.2% | 4342億円 | 非開示 |
| 売上高 | 2571億円 | +32.1% | 3895億円 | +28.2% |
| 営業利益 | 1166億円 | +47.9% | 1747億円 | +38.4% |
| 純利益 | 804億円 | +43.7% | 1219億円 | +31.6% |
予想対象期間を短くしているのは意図的なものだ。ディスコは、半導体・電子部品業界では顧客の投資意欲が短期間で激しく変動し需要予測が困難なため、業績予想を1四半期先までの開示にとどめていると説明する。そのため、今回の予想では2027年3月期通期の見通しには触れておらず、中間決算短信でも期末配当予想は未定としている。
配当と手元資金
取締役会は、基準日を9月30日、支払開始日を12月1日とする1株当たり186円(総額202億円)の中間配当を決議した。前年同期実績は129円で、開示資料に記載された直近の配当予想は171円だった。この配当額は、半期10円を下限としつつ連結半期純利益の25%を配当するとした同社の配当政策に基づくものだ。また同社は年度末に、赤字の年を除き、予定必要資金額を超過した現預金残高のおよそ3分の1を配当に上乗せしている。
現金及び現金同等物の残高は、定期預金が418億円増加したにもかかわらず、161億円増の2006億円となった。自己資本比率は2.8ポイント低下し76.1%となった。なお、第2四半期(中間期)決算短信は公認会計士または監査法人による監査やレビューの対象外である。
同社に関する過去の記事はTokyo Briefの過去記事を参照。
