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アクセルスペースホールディングス、衛星不具合受け新株予約権 全行使なら43億円調達へ

アクセルスペースホールディングスは、GRUS-3衛星4機の不具合を受け、議決権の24.78%に相当する1650万株分の新株予約権をSMBC日興証券に発行する。調達額は全て行使された場合、当初行使価額で約43億円、下限行使価額で約26億円。

4枚が暗く3枚が点灯した小型衛星のパネルと、段階状の価格のはしご、新株予約権の各回分を記した台帳を並べたイラスト

アクセルスペースホールディングス(402A)は、SMBC日興証券に対する新株予約権16万5000個の発行を決議した。当初行使価額で全て行使された場合の調達額は約43億円で、GRUS-3衛星7機のうち4機で高速通信系統に不具合が発生したことを受けた資金調達となる。新株予約権の目的株式数は1650万株で、2026年5月31日現在の総議決権に対する割合は24.78%に当たる。同社が10月15日に提出した有価証券届出書に記載した。

新株予約権の仕組み

新株予約権1個の発行価格は259円で、目的株式数は100株。当初行使価額は前取引日の終値である259円。各行使請求の効力発生日に、行使価額は前取引日の出来高加重平均価格(VWAP)の92%に修正され、同日から適用する。下限行使価額は終値の60%に当たる156円。株数は固定のため、株価に応じて調達額が変動しても希薄化には上限があると届出書は説明している。上限行使価額は設けられておらず、株価が上昇すれば調達額も増える可能性がある。

新株予約権の主な条件
調達額は16万5000個の新株予約権が全て行使された場合の数値で、行使は保証されていない。出所:アクセルスペースホールディングスの有価証券届出書。
項目内容
発行する新株予約権16万5000個(1個につき100株、計1650万株)
発行価格新株予約権1個当たり259円
当初行使価額1株当たり259円
修正基準前取引日のVWAPの92%
下限行使価額1株当たり156円
上限行使価額設定なし
当初行使価額で全て行使された場合の調達額総額43億1600万円、発行諸費用の概算額を差し引いた手取りで約43億300万円
下限行使価額で全て行使された場合の調達額26億1700万円
行使期間2026年11月4日~2028年11月30日

43億円は全ての新株予約権が当初行使価額で行使された場合の見込みで、下限行使価額では調達額が約26億円になると届出書は見積もる。払込日が決まっているのは新株予約権の発行代金のみで、4270万円を行使期間開始の11月4日より前の2026年11月2日に払い込む。残りはSMBC日興が行使した時点で初めて入る。届出書は、株価が下限行使価額を下回って推移すれば、意図した額を調達できない可能性をリスクとして挙げている。SMBC日興は行使に最善の努力を払うが、行使の義務はない。アクセルスペースホールディングスは、任意に定める期間について行使を停止できる。行使期間満了時に未行使の新株予約権が残る場合、同社は1個259円で取得しなければならない。同社は同価格で消却することもできる。

届出書によると、SMBC日興は株式を長期保有する意向はなく、市場の状況に応じて売却する方針。別の条項では、暦月ごとの行使は上場株式数の10%までに制限されており、所定の例外がある。

資金使途

差引手取概算額約43億300万円のうち、23億300万円を光学衛星の製造・打上げに、20億円を運転資金に充てる。運転資金は、画像の海外事業と軌道上実証サービスのAxelLiner Laboratory向け。行使が想定を下回る場合は、運転資金、衛星の順に充当し、不足分は手元資金または銀行借入で賄う可能性があると届出書は記している。

衛星計画も見直し中だ。アクセルスペースホールディングスは、2029年5月に完成予定の高分解能衛星2機の延期を検討する一方、中分解能の新衛星3~4機を2029年5月期に前倒しすることを検討している。

資金調達の背景にある不具合

届出書によると、2026年7月に打ち上げたGRUS-3衛星7機のうち4機に高速通信系統の不具合があり、アクセルスペースホールディングスは今後のキャッシュ・フローがある程度減少すると見込む。同社は7機を防衛省の衛星コンステレーション事業にも活用する計画だった。契約額は税抜き約436億円、期間は2031年3月まで。不具合のない3機は2027年2月の商用運用開始を目指す。同社は今期第1四半期に18億7900万円の減損損失も計上し、自己資本比率は37.7%となった。関連記事はTokyo Briefの過去の報道を参照。

継続企業の前提に関する記載

届出書は、継続的な営業損失と営業キャッシュ・フローのマイナスを理由に、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在すると記載している。一方で、第1四半期末時点では重要な不確実性は認められないと判断しているとも記す。必要な資金を確保できなければ、後に重要な不確実性が認められる可能性があると警告し、新株予約権による調達額と時期はSMBC日興の行使次第だとしている。

届出書は、SMBC日興が各期間にどれだけ行使しなければならないかを示していない。最終的な希薄化率は、行使が終わるまで確定しない。