東証上場の機械・工具商社、山善(8051)は中間期および通期の業績予想を上方修正した。生産財関連事業の需要が自社の想定を「大きく上回って」推移していると説明している。2026年10月21日に発表し、8月10日に公表した業績予想を修正した。
修正後の業績予想
2027年3月期通期の予想は、売上高を従来予想の5850億円から6180億円へ引き上げた。営業利益は179億円(従来予想150億円)、経常利益は187億円(同154億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は122億5000万円(同100億円)を見込む。1株当たり当期純利益の予想は従来の115円92銭に対し、141円83銭とした。
2026年4〜9月の中間期は引き上げ幅がより大きい。売上高は3070億円(従来予想2900億円)、営業利益は89億円(同70億円)を見込む。修正後の中間期営業利益予想は従来予想を27.1%上回り、通期の引き上げ率は19.3%となる。これらはいずれも山善の従来予想に対する増減率であり、前年同期比または前期比の伸び率ではない。
| 項目 | 期間 | 前回予想 | 今回修正予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 中間期 | 2900億円 | 3070億円 |
| 営業利益 | 中間期 | 70億円 | 89億円 |
| 売上高 | 通期 | 5850億円 | 6180億円 |
| 営業利益 | 通期 | 150億円 | 179億円 |
| 経常利益 | 通期 | 154億円 | 187億円 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 通期 | 100億円 | 122.5億円 |
需要のけん引役
山善によると、8月の修正以降も生産財関連事業の需要は同社の想定を大きく上回って推移した。具体的な分野として、半導体・AI、データセンター、航空・宇宙、造船、防衛産業を挙げている。これらは同社自身の事業状況に関する説明であり、国内全体の投資動向を示す指標ではない。
また、引き合いから正式契約に至る確度が向上したほか、契約までの期間も短縮したという2つの点で受注環境が改善した。これにより、同社の表現によれば受注は需要に見合った水準となった。
タイミングも追い風
上方修正の一因には製品の出荷時期もある。山善は製品の確保とリードタイムの短縮を目的に、一部の製品を受注に先立って先行調達していた。受注が予想を上回ったことで、これらの製品が想定より早期に出荷される見通しとなった。同社は需要動向と並び、この点を中間期業績が従来予想を上回る見込みとなった理由に挙げている。
通期予想の留意点
山善は、第3四半期以降の市場動向や外部環境を引き続き見極める必要があるとした。通期の上方修正は、海外生産財事業の受注残高と力強い引き合い、製品調達の見通し、ならびに底堅く推移しているとするその他の事業を含めたセールスミックスの変化を根拠としている。
配当予想は据え置く。山善は今後、さらなる修正が必要と判断した場合は速やかに公表するとしている。業績予想は発表日時点で入手可能な情報に基づいており、実際の業績とは異なる可能性がある。
