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政策ウォッチ

経産省案、給湯器事業者に化石エネルギー目標の自主設定を義務付け

経産省の制度案は、家庭用温水機器の製造・輸入事業者に対し、1台・1人当たり5605MJを目安として2034年4月に始まる年度の化石エネルギー目標を自ら設定・公表するよう求める。意見公募は11月20日に締め切られ、2027年4月の施行を予定している。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月23日3分で読める
住宅の壁面に設置されたヒートポンプ給湯器と潜熱回収型ガス給湯器、および出荷構成比を示す積み上げブロックのイラスト

資源エネルギー庁は、家庭用温水機器の製造事業者や輸入事業者に対し、化石エネルギーの目標を自ら設定・公表して達成することを義務付ける省令案および告示案について、意見公募(パブリックコメント)を開始した。募集期間は2026年10月22日から11月20日までで、2027年4月1日の施行を予定している。

2つの基準を1つに統合

告示案は、ガス温水機器を対象とした2004年の告示と電気温水機器を対象とした2013年の告示という2つの別個の判断基準を、双方を網羅する単一の告示に置き換えるものだ。ガス燃焼温水機器およびヒートポンプ温水機器のエネルギー消費効率の基準表も引き継ぐ。あわせて公表された省令案では、施行規則の適用除外リストを改正する。告示と同様に、改正政令の施行日である2027年4月1日に施行される予定だ。

新たな目標の対象となるのは、ガス燃焼温水機器、ヒートポンプ温水機器、電気ヒーター温水機器、ハイブリッド温水機器、および家庭用燃料電池である。自然通気式のガス瞬間湯沸器は対象から除外される。ワーキンググループの取りまとめでは、業務用機器やその他一部の区分も対象外としている。

新制度の仕組み

2034年4月に始まる年度以降の各年度において、各事業者が国内向けに出荷する家庭用温水機器の化石エネルギー消費量の出荷台数加重平均値は、事業者自身が設定する目標値を上回ってはならない。事業者はまず、3つの環境区分に応じた製品出荷の取組方針を策定する。高効率給湯器の導入に適していると判断される住宅には、高効率給湯器を出荷する。それ以外の住宅で潜熱回収型ガス給湯器の導入制約がない環境には、エネルギー消費効率が潜熱回収型ガス給湯器と同等以上の機器を出荷することとしている。高効率給湯器とは、ヒートポンプ給湯器、家庭用燃料電池、ハイブリッド給湯器を指す。

化石エネルギー消費量は、年間の給湯熱負荷、ガスおよび電力の消費量、ならびに化石エネルギー換算係数から算出される。暖房に要するエネルギーは含まれない。事業者は2028年3月31日までに取組方針と目標値を公表し、見直しを行った場合は再度公表しなければならない。

5605MJの目安

国が示す定量的な目安は、温水機器1台・1人当たり化石エネルギー消費量5605メガジュール(MJ)である。これは事業者が自ら目標を設定する際の目安であり、個別製品の規制値や販売上の基準ではない。ワーキンググループは、目標年度における給湯器の種別ごとの想定出荷構成比からこの数値を導き出した。

目標年度における給湯器の種別ごとの想定出荷構成比
ワーキンググループ取りまとめ:5605MJの目安の前提となる想定出荷構成比と2023年度実績の比較
給湯器の種別目標年度の想定構成比(%)2023年度実績(%)
高効率給湯器(ヒートポンプ、家庭用燃料電池、ハイブリッド)39.322
潜熱回収型ガス給湯器42.529
その他18.149

実効性の確保と未確定事項

ワーキンググループの取りまとめによると、国は目標年度の実績が事業者の設定した目標値を達成しているか確認する。事業者の方針や目標が判断基準に照らして不十分と判断された場合や、目標年度の実績が目標を達成しなかった場合で、エネルギー消費性能の大幅な向上が必要と認められるときは、改善を勧告することがある。また、市場環境が許せば目標の引き上げも検討すべきだとしている。

これらは確定前の案であり、告示の番号や日付は空欄となっている。経済産業省は、寄せられた意見を最終決定の参考とするものの、個別の回答は行わないとしている。意見は日本語で、電子政府の総合窓口(e-Gov)、郵送、または電子メールで提出できる。